地区図書館への指定管理者制度の導入について (2012年3月議会の一般質問から その2)


3月16日に以下の3点について一般質問をおこないました。

1 家庭ごみの有料化方針の撤回を

2 地区図書館への指定管理者制度の導入について

放射能から子どもたちを守るための具体的な取り組みについて


前回に引き続き、「地区図書館への指定管理者制度の導入について」の質問について、3月6日におこなわれた予算特別委員会の教育費に関する質疑とともに報告します(下記)。


立川市では、2010年6月から、幸、錦の両図書館への3年間の指定管理者制度の試行導入をおこなっています。1年9ヶ月間の試行導入の検証結果によると、おおむねいい結果が出ています。しかし、この背景には、指定管理者制度導入に際して、図書館関連団体などの市民による大きな反対運動が起こり、図書館見直し方針に対する意見募集、パブリックコメントは81件も寄せられ、市民のその問題点を指摘する声もたくさん上がり、2008年6月には、「図書館のあり方について、市民の声を踏まえて十分検討する事を求める陳情」が議会で採択され、慎重に審議された結果、導入前にいろいろな問題点が指摘され、指定管理者で働く者の人件費も高目に設定されたなど、改善されたことがあります。

立川市は、地区図書館への指定管理者制度の導入について、残り6館の導入について、一遍に進めようとしているようとしている兆候があります。しかも、危惧をしていたとおり、外部の第三者によるモニタリングや今後の指定管理者制度の導入についての市民説明会などを全くやろうとしていません。

3月の予算特別委員会と一般質問で、今後の地区図書館への指定管理者制度の導入について質しましたが、これからの導入のやり方やスケジュールについては、3月議会では全く語らずの状況でした。実質的には来年度=2013年度から全館導入をするならば、6月議会前までには全容が決まってなければいけません。答弁を曖昧にして、反対運動などがおこらないうちに強引にやろうとしている節さえ感じられます。

とにかく、錦と幸図書館についての市民(利用者)アンケートでいい結果が出たことだけをとって、それが市民の声だということで押し切ろうとしています。

試行導入から2年も経たないうちに、表面的な検証結果だけで、本格導入へと強引に推し進めようとする態度には疑問を感じざるを得ません。それも指定管理者制度の試行導入前にはやると言っていた「外部の第3者による専門的なモニタリング」もおこなおうとしていません。

地区図書館全館への指定管理者制度の導入は、実際には、多くの問題点を含んでいます。特に、質問の中でも触れていますが、立川市では、図書館の司書専門職員(専門職で異動なし)があと5年で全員退職することによって、すべての職員が「一般事務職員」になり、そのほとんどが3年から5年でくるくると人事異動することになります。これでは中核職員は育ちません。このままでは、図書館職員の力量は年々下がっていく可能性が高いでしょう。

少なくとも、私は、地区図書館のうち1館か2館は直営で残すべきと考えています。


地区館1、2館を直営で残すような運動が必要であると思います。図書館を愛する心ある市民のみなさん、声をあげましょう !!。

至急!! 

清水市長に、地区図書館への指定管理者制度の導入を一遍に進めるな!! という声を


◆市長への手紙(広聴ハガキ) 市の施設などにあります


◆市民相談係  TEL 042-523-2111(内線215)


◆広聴ファクス  FAX 042-521-2653


◆Eメール kouhoukouchou@city.tachikawa.lg.jp


立川市のホームページの「市政へのご意見」コーナー
https://www.city.tachikawa.lg.jp/cms-sypher/www/opinion/input.jsp
 


なお、下記の文章については、確定した原稿ではありませんので、すべての文章について五十嵐に責任があります(文責:五十嵐)。


2012年3月議会 予算特別委員会 教育費の審査での質問 (3月6日)


◆五十嵐

 私のほうからは、まず図書館行政についてお聞きしてまいります。
 今後の地区図書館への指定管理者制度導入計画については、文教委員会で御説明ということですけれども、市長の予算説明に他の地区館への指定管理者制度の導入について検討してまいりますというふうにおっしゃられているわけですし、委員会中心主義というのはわかりますけれども、普通、あと6館残っているわけですから、段階的にやるのか、一遍にやるのか、指定管理者は複数になるのか、一つの指定管理者に頼むのかと、そういう骨格ぐらいはお示し願いたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 次に、私が図書館行政において資料請求をいたしました。目標どおり直営館のほうも司書資格の保有率が42%と上がっていまして、目標の50%は達成しそうと、もう新年度にも達成しますよね、教育長、これだったら、と思いますが、質問はそれではなくて、図書館職員の平均在職年数なんですよ。御承知のとおり司書採用者8人が退職したということを仮定した表をつくってもらいました。そうしますと、図書館職員の平均在籍年数は4.1年になってしまいます。特に上砂図書館と若葉図書館に10年という方と17年の方が、これは特殊な方だと思いますけれども、いらっしゃいまして、そういった長い方を引くと3.1年になっちゃうんですね。そういう観点に立ってまいりますと、今後もし地区館を指定管理者制度を導入していくとしますと、そういった図書館行政をモニタリングしなきゃいけないと、司書採用者がいなくなり、そういうくるくる、3年か5年でかわってしまうローテーションの中ではきちっと図書館行政のあり方を継承し、つないでいく人がいないし、モニタリングできる人がいなくなってしまう。ちょっと言葉は悪いですけれども、指定管理者のほうがもう上手になってしまって、なめられてしまうというような、言葉は悪いですけれども、そういう状況にもなりかねないと思いますが、その点、解決策というのはお考えなんでしょうか、お示し願いたいというふうに思います。
 先ほど忘れましたけれども、この地区館の導入に当たってはやはり市の職員組合と協議していると思いますけれども、その状況はどうなっているのかもお示し願いたいというふうに思います。


○清水・図書館長

 1点目の地区図書館への部分での骨格だけでもというお話でございますが、さきの委員のときにお答えしましたように、文教委員会で詳細は御報告させていただきます。ただ、先ほどの委員のときにも申し上げましたように、利用者満足度調査の中では平成22年、23年度2回行いました利用者満足度調査、一番の声だと思っておりますけれども、その中では高い評価を得られておりますので、拡大の方向で報告させていただきたいと考えております。
 それから、2点目の在職年数と司書率の話でございますけれども、確かに司書資格を持っていない職員のところでやりますと若干下がる年数になります。ただ、年数の多少ではなくて、どういったふうに取り組んでいくか、そういった部分でございますので、司書資格を持った職員は図書館以外にも、図書館で今行っております司書講習に行って司書資格を持った者もおります。また、司書の資格だけでは、実際の市役所の行政、図書館行政は市の行政でもございますので、それを行っていくためには司書の資格だけではなくて、市の職員としての資質の向上を目指すような形での配置をお願いしているところでございます。
 それから、継承の部分につきましても、今試行段階ですからはっきり言いませんけれども、地区図書館全館に入っていった場合でも、中央図書館は現在残っておりますので、そういった部分での強化は当然図られるべきだというふうに考えております。
 以上です。


◆五十嵐

 まず、本来ならば市長が予算説明していることを骨格でも、この予算特別委員会で話せないというのは、ちょっと予算特別委員会の権威がなめられているんじゃないかなということだけ意見をしておきます。
 これは文教委員会をじっくり聞きまして、私の意見を一般質問できちっと開陳して議論したいと、近藤部長と澤教育長と議論したいと思います。
 私は今の段階では、そういった図書館の中央のモニタリングの経験なども積まないうちに、一遍に指定管理者導入を地区館にすべきではないという意見ですので、そこだけお見知りおきください。
 一般質問で図書館についてやりますので、よろしくお願いします。


(予算特別委員会では時間制限がきついのでここまでしか質問できませんでした。)

2012年3月議会 一般質問 地区図書館への指定管理者制度の導入について 


◆五十嵐

 次に、地区図書館への指定管理者制度の導入についてお聞きしてまいります。
 私は、直営、公立図書館の専門職の不在という問題もあり、直営だからという理由だけで、よい図書館と言うつもりは毛頭ありません。一般事務職員のたらい回し的な人事は改めて、図書館の司書職員をある程度専門職化して、少数精鋭のプロの司書集団による図書館行政を目指すべきと考えて、まず直営の中での人事管理を含めた改革が必要と訴えて、市の図書館への指定管理者制度の導入には反対を貫いてまいりました。
 今でも、図書館のあり得べき姿は、少数精鋭の専門司書職員を配して、プロの司書集団による図書館行政を行っている千葉県の浦安市立図書館や、東京都の調布市立図書館だと思っています。
 しかし、図書館への指定管理者制度の導入の考えを持つ清水市長が再選され、地区図書館への指定管理者制度の導入をさらに推し進めようとしていますので、立川市の今後の図書館行政が真に市民のためになるように、少し私の理想の図書館像からは離れ、断腸の思い、苦渋の選択ですが、現実的な提言を含む提案をしたいと思います。
 まず、幸、錦の両図書館への指定管理者制度の試行導入についてですが、試行導入の検証結果によると、おおむねいい結果が出ていると私も思います。この背景には、指定管理者制度導入に際して、図書館関連団体などの市民による大きな反対運動が起こり、図書館見直し方針に対する意見募集、パブリックコメントは81件も寄せられ、市民のその問題点を指摘する声もたくさん上がり、2008年6月には、「図書館のあり方について、市民の声を踏まえて十分検討する事を求める陳情」が議会で採択され、慎重に審議された結果、導入前にいろいろな問題点を洗い直し、人件費も高目に設定されたなど、改善されたことがあるということを決して忘れてはいけないと思います。
 しかし、今回の試行導入の検証結果を、短期的に見ればいい結果と言っていいかもしれませんが、中長期的に見たらどうなのかという視点に欠けていると思いますし、モニタリングは内部だけのものですし、専門家や図書館関係団体の方などを含む第三者による外部評価もなされていません。もし本格導入を考えるなら、第三者による外部評価は当然なされるべきだと思いますが、これから外部評価をきちんとするのかどうか。また、この間の経過を考えると、市民への説明会を開き、一度意見を聞くことが必要と考えますが、そのことについてまずお尋ねいたします。
 また、今後の地区図書館への指定管理者制度導入についての考えやスケジュールがはっきりしていませんが、現段階で行政経営の部門や図書館内部でどのような検討をしている、またしたのか、お示し願いたいと思います。
 さらに、図書館への指定管理者制度の導入については、検証に基づいたガイドラインも確定していません。本格導入していく上でぜひ必要だと思いますが、今後どうされるのかお示しください。
 私の地区図書館への指定管理者制度導入についての見解は、残りの6館に一遍に指定管理者制度を導入してはいけないということです。少なくとも児童館のように2段階もしくは3段階に分けて、検証を深めながら進めるべきと考えます。
 また、地区図書館は中央図書館と違った役割があります。地区図書館というのは地域に歩いて行ける距離にある。つまり、小さい子どもですとかお年寄りですとか、中央図書館とは、お客様というんでしょうか、利用者の層も違いますし、やはり違った役割があると思うんです。ですから、地区館1館は直営のアンテナ図書館として残して、そのノウハウを継承し、今後の図書館職員の人材育成にも役立てるべきで、直営と指定管理者が切磋琢磨してよりよい体制を築く必要があると思います。
 特に、柴崎図書館は、今後、小学校との複合施設となることから、施設管理についても複雑となり、直営ならではの連携も必要となることから、私は、まず直営図書館として柴崎図書館を残すべきだと思いますが、この私の見解についてお考えいただけるでしょうか。お答えください。
 段階的な導入を求める理由は、今後5年で、8人いる司書採用職員が全員退職する予定ですが、今後の新しい図書館行政を担う中核職員が、つまりコーディネートもできるスペシャリストということですが、そういった中核職員がまだ十分に育っていないということです。この状況を放置し、人事異動を繰り返すと、10年もたってしまえば、立川市としての図書館行政能力は大きく失われる可能性が大きいと言えます。つまり、今後、指定管理者をしっかりとモニタリングできる人材が失われかねないという問題があるからです。
 図書館職員の司書率向上以外の人材育成策が不十分なままですし、中長期的な展望もまだはっきりしていませんが、具体的な図書館職員の育成年次計画は確立しているんでしょうか。来年度以降の5年間で、図書館行政は司書採用職員の技術とノウハウや、立川市が長年かけて培ってきた図書館行政の大切なものを継承し、一部の専門職の採用という中で生まれた硬直性ゆえに進んでいなかった面の改めて改革を行う、そういった継承改革が必要と考えますが、お答え願いたいと思います。


○澤・教育長

 私のほうからは、地区図書館の指定管理者制度の導入についてお答え申し上げたいと思います。
 外部評価、これをきちんとどうするのかというお話でございますけれども、試行導入いたしました指定管理者制度の評価につきましては、図書館内に設置した検討委員会で専門的な部分を評価し、その結果を市の正式な評価機関でございます立川市の公の施設指定管理者評価委員会、ここに提出をいたしまして評価が行われております。
 また、教育委員会の教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価、これについても専門の学識経験者に外部意見をいただいているほか、図書館協議会からも御意見もいただいておりますので、現時点では評価はきちっとできているというふうに思っております。
 それから、今後の地区図書館への導入の考え方、スケジュールも含めてのお話でございましたけども、さきの文教委員会でも御説明させていただきましたけれども、地区館2館の試行導入、1年9カ月間の検証結果を見ても、議員からも御案内がありましたように、さまざまな市民サービスが向上しておりまして、市民からも評価をされておりますことから、平成20年度の図書館見直し方針に基づき、全地区館への導入を目指していくことには問題はないというふうに考えております。
 しかし、課題もあることも事実でございますので、課題を整理しながら、立川市公の施設指定管理者の指定手続にのっとって進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、本格導入の際のガイドラインの話でございますけども、これは本格導入というよりかは、市として既に指定管理者のガイドラインが定められておりますので、これに沿って進めてまいりたいというふうに思っています。
 それから、地区館をアンテナ館として残すべきというお話もございました。たとえ地区館全館に指定管理者が導入されたとしても、中央図書館の機能、組織体制の強化などで十分対応できるというふうに考えております。また、幸・錦図書館への試行導入によるシミュレーションをしておりますけども、そのシミュレーションの中で、直営館のノウハウを継承する手法、これも確立はしていると思っています。その段階においてもまた、人材育成も当然図っていくし、図られていくべきというふうに思っております。
 それから、具体的に柴崎図書館の話が出ましたけれども、柴崎図書館につきましては、御承知のとおり第一小学校の建てかえ計画がございますので、この進捗状況を見ながら考えていく予定でございます。
 それから、図書館の職員の育成計画ということでございましたけれども、図書館内でのスキルアップ研修、あるいは地区館と中央館との交流研修などを実施しておりますけれども、直営館につきましては司書率50%達成に向けまして、毎年、司書資格を取る講習会に職員を派遣しておりますほか、司書専門職員の退職後に向けて、順調に育成をしているというふうに思っております。
 それから、6点目でございますが、ノウハウの継承改革というお話がございました。これにつきましては、ノウハウの継承につきましては、まずは日ごろの業務、それから毎月の評価会、それから毎週行っております選定会議、その他各種マニュアルの見直し、作成などによって、継承は十分されているというふうに認識しております。ただ、全体的にナレッジマネジメントの重要性をかんがみまして、これからも精力的に継承については取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。


○近藤・教育部長

 図書館への指定管理者制度の本格導入の際の市民説明会の件でございます。
 図書館の見直し方針、議員おっしゃったとおり、方針を作成するときに住民説明会とパブリックコメントを実施いたしまして、そのさまざまな意見に基づきまして、幸・錦図書館へ試行導入いたしました。試行導入する際にも特に大きな混乱はなかったというふうに認識をしておりますし、また1年9カ月の試行導入の検証結果を見ましても、さまざまな市民サービスが向上されておりますし、22年度、23年度に実施いたしました市民アンケートの結果によりましても高い評価をいただいておりますので、改めて市民説明会を開く予定はございません。


◆五十嵐

  時間がなくなってまいりましたが、地区図書館への指定管理者制度の導入について聞いていきます。
 ほとんど、私が言ったことに対してやらないということが多かったわけですけれども、外部評価に関しては、私は専門的な外部評価をきちっとやるべきだと思うんです。図書館協議会だって1月20日に行われたので、ちょっと意見を聞いただけでしょう。前々から少しずつ説明はされていたけど、総括的な評価をしたという形にはなっていませんよ。
 では図書館協議会でもいいですよ。そのかわり、きちっと評価票をつくって、図書館協議会でそれを重点的に外部評価してください。図書館協議会には専門家も入っていますし、図書館団体からの代表も入っていますから。通常の図書館協議会でも、国分寺市は図書館の評価票を、これは直営のですけど、きちっとつくって、六十何項目もつくって評価されていますから、ちょうど図書館協議会で直営も含めて比べられるような評価票をつくったらどうですか。


○近藤・教育部長

 先ほど教育長から答弁したとおり、現在、私どものほうでは、現時点で考えられる中での評価というのはきちっとしているつもりでございますので、改めて図書館協議会に意見を伺うということは考えておりません。


◆五十嵐

 導入するときあれだけ、モニタリングをやりますから、外部評価も第三者機関で考えていますと言っていたのに、手のひらを返すように、それぞれ評価していただいているのはわかりますけど、総括的な専門的な外部評価はやっていないんだから、私はやるべきだと思いますし、それなしに進めていくべきではないというふうに意見だけ言っておきます。
 次に、市民への説明会についても、教育長、今までの経過は、市民といろいろ話し合いながらやってきたじゃないですか、時には対立し、時には歩み寄って。そういった方こそ本当に立川の図書館行政に協力してきた方なんです。だから、これでアンケートをとるというまでは言いませんから、1回ぐらい市民説明会を参加のしやすい土曜日か日曜日に開いて意見を聞くべきだと私は思いますけど、その点についてはいかがでしょうか。


○澤・教育長

 いろいろ御心配してくださる団体とは、私も当時は毎週のように数時間お会いして、いろいろ話をして、不安を払拭したいというふうにやってきました。
 先ほど部長からも話がありましたけども、サービス評価というのはサービスを受ける市民の評価が一番でございます。もう一つは、全体の施策評価については、議会の評価が一番でございますから、その両方が一番大切だと思っています。
 もう一つ、私はなぜ第三者評価にこだわらないかと申しますと、ある自治体の、これは名誉のために余り言ってはいけない自治体の名前ですけども、第三者評価をやっているところがあるんですけども、議事録を見たら、えっ、これではというふうなことがありまして、それはやり方が悪いからと言うかもしれませんが、その市にアドバイスするわけにいきませんけれども、余り専門家だけの評価にこだわるとこういうことになるんだなというのは実感したことがございますので、これは市民評価と議会評価、これが両輪だと思っております。(「議員がやればいいんだよ」「そうだ」と呼ぶ者あり)


◆五十嵐

 議員がやればいいんだよという声もありますけど、まさにそうですね。わかりました。では、現段階で、私は外部評価はやるべきだと思うし、市民説明会は1回ぐらいやってもいいんじゃないかと。それほど地区図書館へこれから全館導入したいという情熱があるなら、その説明会は堂々とやればいいというふうに思います。やらないというのは残念であります。
 現段階で行政経営部門や図書館内部でどのような検討をしたかというので、はっきりとした答えがなかったので、この件に関しても、大々的に情報公開請求を使って資料を即請求させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次に、ガイドライン指定管理者制度ガイドラインがあるからと言いますけど、やっぱり図書館の専門性ですとか、本来ならば図書館は、インフラストラクチャーというか、基本的な行政ですから、それを、例えば児童館とかなら、一義的に学校教育があって二義的な施設ですけれども、図書館というのは一義的な施設ですから、専門性も高いということをかんがみて、これから図書館の指定管理者導入に関するガイドラインというものは、行政のリスク分散としてもきちっと考えていくべきだと思うんです。
 例えば、指定管理者制度の適用の解除なんかの状態になったらどうするんですか。そういうことをきちっとガイドラインに載せておかないと、それは図書館のですよ。一般的な解除じゃないですよ。だってこれから図書館全部、地区館を指定管理者制度を導入して、ある指定管理者がもし大不祥事を起こして指定管理者適用の解除になったときに、どうするんですか。これは後の意見にもつながるんですけれども、直営のノウハウを残しておかなければ、それはだれが担ってくれるんですか。ほかの指定管理者に指定管理を依頼して、すぐできるんですか。そういったリスク管理の問題からもいろいろな問題が出てくるんです。だから、ガイドラインをきちっと図書館専用につくれと言っているんですが、いかがでしょうか。


○近藤・教育部長

 図書館専門のガイドラインということでございますが、導入するに、今回、2館に試行導入しておりますが、試行導入するに当たりましても、市民の多くの不安の指摘だとか、図書館内部でも専門職を中心にいろんな議論をした中で、今回の要求水準書なりつくったということがございます。また、今回のモニタリングの評価、内部的な評価につきましても、専門職の司書の方を中心に50項目以上について、指定管理の導入についての評価もしているところでございますので、現時点におきましては、それなりの対応はできているというふうに考えております。


◆五十嵐

 それは行政内部の内輪の議論であって、やっぱり外部のモニタリング、外部の評価というのは私は必要だなという、そういうふうに、行政ですべてできているから大丈夫なんだと言うほど緩んでくると危ないときがありますので、それも要望というよりは進言ということでお聞きいただければというふうに思います。(「進言か」と呼ぶ者あり)─そうしていかないと時間がないんだよ。わかった。
 具体的な図書館職員の育成の年次計画というのは、できているようでできていないんです。専門司書職の方々の継承、これはいいところは継承すべきだと思います。悪いところは継承しなくていい。だから、そういったことを本当にやっているというふうに見えないし、そういう資料というのがないんですよね。内部で話しているだけかもしれないし、それはペーパーになってきちっと年次計画をつくらないと、私は、今後、図書館における人材育成というのはうまくいかないと思いますけど、最後にその点についてお答えください。


○近藤・教育部長

 職員の育成計画、研修というのは大変重要だというふうに思います。議員おっしゃったとおり、ここが今後の指定管理館がふえていく中では大変重要なところではないかというふうに考えております。そういうこともございますので、現在の図書館長が図書館に来てから、特に地区館と中央館の交流の研修だとか、または図書館の内部での係を超越した研修だとか、さまざまな研修体制を現実的に実施しております。
 また、ペーパーにはないという、今、議員のお話もございましたが、司書の方々の細かいところまでのノウハウの継承というのは、日ごろの業務の中で一緒に仕事をすることで、現在も継承について意識を持ってやっていただいておりますので、議員おっしゃるところを頭に入れながら、今後も中核職員の育成、研修の充実につきましては、充実を図っていきたいというふうに思っております。


◆五十嵐

 まだ時間がありますので、最後に、私は、地区図書館への指定管理者の導入は、あくまで2段階、3段階で段階的に経緯を見ながら、そしてきちっとモニタリングをしながらやっていくことと、図書館は人材ですから、人材育成については、今後、司書職員がいなくなるわけですから、きちっとやっていただきたいと要望いたします。
 以上です。

※図書館行政について、五十嵐が質問、運動をしてきた経過は下記の五十嵐のホームページへ


◆図書館を市民の手に