指定管理者制度導入にNOを !! 図書館を市民の手に

igaken502008-08-26


8月29日・30日の説明会にご参加を !!!

 指定管理者制度とは、2003年9月の地方自治法の一部を改正する法律の施行によって、それまで地方公共団体や外郭団体(出資法人など)に限定されていた「公の施設」の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人市民グループなどの民間事業者も含めた幅広い団体におこなわせることができる制度です。

 立川市でも駐車場、駐輪場、斎場などにすでに指定管理者制度を導入しており、私自身はこれらの施設への導入には賛成してきました。しかし、そもそも無償を原則とする図書館事業には指定管理者制度はなじむものではありません。図書館はただ単に本の貸し出しだけをおこなう施設ではなく、社会教育機関として、さらに情報提供機関として、住民の様々な課題を解決していく機関であり、そのためには経験豊富な専門的な知識を身につけた図書館職員(司書資格を持った職員)が必要と考えていますので、立川市が進めようとしている図書館事業への指定管理者制度の導入には断固反対です。

 『指定管理shiteikanri.jp』(2008年5・6月号)という雑誌に(指定管理者制度を推し進めようという雑誌のようですが)、前鳥取県知事で慶応義塾大学教授の片山善博さんが「図書館に指定管理者導入すべきではない」と明快に答えていましたが、その言には説得力があり、私自身もその通りと思いますので引用します。

片山
(省略)
しかし、施設の持つ特性によっては指定管理者制度になじまないものもありますから、すべての施設に導入するというわけにはいきません。


―――どういった施設があげられますか。


片山
例えば図書館です。これは指定管理者制度にはなじまないということで除外しました。


――― どういう理由からなじまないとお考えですか。


片山
公立図書館は基本的インフラストラクチャーと位置づけられるもので、ないよりはあった方がいいというような上乗せサービスの部類ではありません。義務教育としての小中学校と同じに位置づけられるものです。公立の小中学校に指定管理者制度を導入して、私立学校や塾なりを指定管理者にするということは可能かもしれませんが、そういう問題提起や議論は起きていないでしょう。それは義務教育が親にお金のない子供でも、そうでない子供でも、同じ条件のもとで必要な自立支援をする公的サービスの中核だからです。公立の図書館もそういういわば格差是正の要素を持つ、行政が必ず提供しなければならない施設ですから、競争原理を働かしての無理なコストダウンなどはそもそもなじみません。元来、図書館は無償を基本とするもので、その点、有償の部分もある美術館や博物館とは違うと思いますね。


―――コスト面はともかく、サービス面での競争原理という視点からいかがでしょうか。


片山
サービス面で問題があるとしたら、それはそういう運営しかしていない自治体がとるべき責任だと思います。
 例えば、公立の図書館にちゃんとした専門家である司書を置かないで、行政職から順繰りで何年か派遣しているケースなどが指摘されていますが、小学校にきちんとした教員を置かないで同様なことをする自治体があったとしたらそもそも自治体として失格なのと同じことです。


――― その図書館ですが、官民協働というのでしょうか、コスト削減やサービス向上に住民のボランティアを積極的に活用する形態が見受けられるようですが。


片山
官民協働といったときに、実際はサービスを官が民に押し付けるとか、民におねだりするとかいう面で使われいるケースが多いように感じます。官ができない、あるいは苦手とする分野を民にお任せするというのではなく、無料だから、安価だからという理由から委託先に使うというケースです。それが最近、学校図書館などでも見られるようになって来ましたね。図書館をボランティアで運営しましょうという言葉の響きはいいし、ボランティアに参加なさっている方の志もいいのですが、図書館の仕事は先ほどもふれましたように生易しいものではありません。専門的人材を中核に置き、その人物の指導やコーディネイトのもとで、ボランティアの方が寄り集まって全体の裾野を広げていくという考えならいいのですが、その中核となる専門家の配置の部分を手抜きしておいて、ボランティアだけ集めて安上がりに運営しようとする行政の姿勢には問題があると思います。官と民が文字通り協力して働くという発想ではなく、単なる行政の手抜きの便法で使うというのではいけません。

(清水立川市長にも片山さんの意見を参考にしていただきたいと思うばかりですが・・・。)

 今年5月に各地区で行われた「図書館の見直し方針」(図書館の民営化=指定管理者制度の導入)の説明会では、拙速な指定管理者制度の導入に対して反対の意見が続出し、意見募集(パブリックコメント)でも方針に賛成する意見はほとんどありませんでした。立川市議会でも「立川の図書館を考える会」の方々が提出した『図書館のあり方について、市民の声を踏まえて十分検討する事を求める陳情』が市民フォーラム(民主系+生活者ネット)、日本共産党市議団、私たち社会民主党・みどり立川・市民の党の賛成多数で採択され、それに待ったをかけています。

 しかしながら、市当局は未だにこの拙速な方針をあきらめず、一から考え直すという方向には向いていないようです。

 8月29日と30日には下記のように、地区館への指定管理者制度導入に向けた図書館の見直し方針に寄せられた意見に対する説明会が開催され、前回の説明会ではほとんど参加しなかった市長自身も来る予定です。市長に直接図書館への指定管理者制度導入にNOを突き付けて、図書館を市民の手に取り戻しましょう!!

説明会に参加を

地区館への指定管理者制度導入に向けた図書館の見直し方針に寄せられた意見に対する説明会

日 程      時間      場所
8月29日(金)  午後7時から  女性総合センター第3学習室
8月30日(土)  午後2時から  市役所議事堂内会議室


引き続き拙速な図書館の民営化はヤメロ!! 声を市長へ届けよう!!

市長への手紙(広聴ハガキ) 市の施設などにあります

市民相談係  TEL 042-523-2111(内線215)

広聴ファクス FAX 042-521-2653

Eメール  kouhoukouchou@city.tachikawa.lg.jp 

立川市のホームページの意見・提案コーナー

https://www.city.tachikawa.tokyo.jp/jp/participation/index2.html

※写真は中央図書館4階の子どもの絵本のフロア もっと利用してほしいワン?!?!