市長は帰っちゃったけど、100%反対 「図書館への指定管理者制度の導入」の説明会

igaken502008-05-10


立川市はコスト削減のためにまず地区図書館から指定管理者制度を導入にする方針(後には中央図書館も)を出し、4月25日から6月6日まで市民の意見を聞くということでパブリック・コメントをおこない、5月10日から市内9ヶ所で説明会をおこなう予定です。

そもそも、この方針に関しては、柴崎図書館の「廃館」問題の時と同様に、図書館協議会や図書館事業に協力しているボランティア団体や図書館関連団体、図書館利用者などの市民に事前に意見をほとんど聞かずにトップダウンで決められてしまっているというボタンのかけ違いがありますが、私は図書館事業の中核は責任を持った市の専門職を中心に行うべきという意見であり、今回の市の拙速な図書館事業への指定管理者制度導入には反対です。

端的に言えば、指定管理者制度の導入によるコストの削減の源泉は、指定管理者になった民間企業(団体)が収益を上げようとするために労働コストを低く抑えるということです。そこで働く人は契約社員派遣社員、短時間の臨時職員などの非正規社員やパートやアルバイトになり、低賃金、不安定雇用になります。特に待遇が良いわけではないので、入れ替わりが多くスタッフの定着率も悪いので(1年で半数がやめるという例もあるという)、仕事へのモチベーションも当然低くなります。よって、安定性を欠き、モチベーションの薄い職場となり、高い専門性や蓄積性を求められる図書館事業にはなじまないばかりか、かえってサービスの低下を招く危険性が高いと思われます。

また、例えば5年ごとに指定管理者が変わってしまえば、図書館の継続性、安定性、蓄積性を守ることが困難になり、構造的にも前の指定管理者が継続して図書館事業を落札できなければ、そこで働く低賃金、不安定雇用の非正規社員は職を失うことが多く、指定管理者の図書館事業に携わる人材の入れ替わりはさらに激しくなり、安定性を欠くことになり、発展性のある図書館事業につながっていかないと考えています。

その他にも個人情報の流出などの問題もありますが、10日にアイムの会議室でおこなわれた図書館の見直し方針(指定管理者制度導入)の説明会に参加してきましたので、以下はその報告です。

30人弱の市民の参加がありましたが、結果から言うと、そのほとんどというか100%が図書館事業への拙速な指定管理者制度の導入(民営化)に反対する意見でした。市長はその日は、市体育協会の総会など4つの会に出席しなければいけないということで、挨拶のみで、市民からの直接の声を聞かずに5分もしないで帰っちゃいました(あらら、あら、あら・・・)。耳の痛い話は副市長や教育長や担当部長がしっかりと伝えるのでしょうか?。真剣に立川市の図書館事業について危惧を抱き、心配する声を市長が直接聞かなかったことは残念でなりません。
以下が、現場ででた声です。テープにとらず五十嵐のメモだけなのであくまでも文責は私にあります。

いきなり見直し方針を渡されて、今日だけの受け答えだけでは不十分、見直し方針を読み込んでくるから、もう一回(同じ場所で)説明会を開いてほしい。図書館より先に見直しすることは他にたくさんあるのではないか。(指定管理者制度導入で)金だけが安くなければ良いというものではない。

今の方の意見に部分的に賛成。レファレンスのことについて説明されたが指定管理者になってきちんとできるのか。民間はつまるところ利益追求でお金儲けであり、採算が合わないようなことができるのか。レファレンスには長い間の経験が必要で、司書資格をもっているだけではダメである。

(市側が図書館事業の重要性を説きながら、指定管理者制度を導入したいという)先程からの議論に矛盾を感じる。やる気がある若い人を立川市として図書館に採用し育てていくべき。労働条件が良くないと長く勤められない。どうして民間なのか。5年間で事業者が変わってしまえば、立川市の図書館事業の連続性や蓄積もなくなってしまう。

前に発言している人たちと同じ思い。図書館の重要さをもっと考えてほしい。やっと学校に司書が配置されることになり、子どもたちにも読書環境が広がるチャンスなのに・・・。指定管理者制度の導入で図書館サービスが今まで以上の水準になるのか。不安である。コストの問題だけであわててやるのは良くない。まだ図書館へ指定管理者制度を導入している市は少なく、歴史も浅いので、制度を導入した他市についてもその本当の結果は出ていない。そのような状況で立川市が先頭に立ってやる必要なない。

図書館事業と駐車場管理をいっしょにしないで。

図書館は社会教育機関であって単なる図書貸出機関ではない、長期的な展望が必要。指定管理者制度ではそれが根本的にそこなわれてしまう。経費削減を言うならば直営の中での見直しをすべき。土、日曜日に職員が出られないのはおかしい。そういうところ改革してほしい。図書館はその市の文化の見識を表すというが、立川市の図書館の専門職の方々はかなり力がある、直営の中で努力をしてほしい。

子どもたちへの読み聞かせをしているが、限られた予算と言うのであれば、その中でどういう選書をしていくかということも大事(コスト削減ができても選書などができなければ本末転倒)。民間は最終的には営利を求めるが、きちんとした選書ができるのか。子どもたちの将来を考えると行政の責任で税金をおしまないでほしい。良い職員と出会ったとき子どもたちの反応はぜんぜん違ってくる。子どもたちの図書館の利用頻度も貸出も多くなる。そういう経験は、子どもたちの一生の宝になる。図書館は自分で選んで学ぶ力をあたえるところであってほしい。

図書館事業の中で今まで培われてきたものを大切にしてほしい。図書貸出1冊につきいくらというものでははかれないものがある。(図書館以外の)他の部署でもそのようなコスト換算をやればいい。図書館で働く人たちに安定したものがなくてなぜサービスの水準を上げられるのか。立川市の図書館には専門職こそ必要。

立川市の図書館には、若くて優秀な人(職員)もいたが、どんどん人事異動でいなくなってしまう。くるくる変わってしまう人事の問題もある。指定管理者制度の導入ありきではなく、直営の中での改革などの対案を出してもらって比べてみないと納得できない。

今までの皆さんの意見と同じだが、どうしても民間でないといけないのか。もし、指定管理者制度を導入するとして、それを監督したり、モニタリングする人材はいるのか。
指定管理者制度になり、いわば丸投げ状態で、現場を知る立川市のベテラン職員がいなくなってしまって、そういう人材はいるのかという意味)

指定管理者制度においては、業者が人件費をピンハネできる。(末端で働く人の)雇用が不安定で結局1年たたないうちにやめていく人が多い。そういうことが目に見えてわかっているのにどうして指定管理者制度なのか。行政がワーキングプアをつくる必要はない。将来的にも生活がきちんとできるような安定した司書職でなければならない。

コスト削減ありきではないか。たかだか7回か8回かの説明会だけで決めてしまう問題ではない。本当にお金の問題だけで指定管理者制度にして良いのか。

問題の多い拙速な図書館への指定管理者制度の導入に反対する立川市民の意見がほとんどで、どれも説得力があり、参加者の追及は市や教育委員会の幹部をたじたじにしていました。立川市には良識がある方がまだまだいると感じ、とても勇気づけられました。もしかしたら図書館の見直し方針(指定管理者制度を導入)をひっくり返せるかもしれません。

とにかく、関心ある方は声を上げましょう!!
時間がある方は、図書館事業に指定管理者制度を導入する方針の説明会に参加して意見を言ってください!!

説明会に参加を

市は、「図書館の見直し方針」についての説明会を下の通り開催します。

 日程       時間          場所
5/10(土) 午後6:30 女性総合センター第3学習室

5/17(土) 午後2:00 若葉会館第1・2集会室
     午後6:30 こぶし会館第1学習室

5/18(日) 午後2:00 新生小学校多目的室
午後6:30 高松学習館視聴覚室

5/24(土) 午後2:00 上砂会館第2集会室
午後6:30 西砂学習館第1教室

5/31(土) 午後2:00 柴崎学習館第3教室
午後6:30 錦学習館講堂


立川市は「図書館の見直し方針」についての意見募集(パブリック・コメント)をしています。

意見は郵送、ファクス、Eメールか直接、6月6日(金曜日)までに

中央図書館(〒190−0012 立川市曙町2−36−2) 

FAX 528−6806  

Eメール toshokan@city.tachikawa.lg.jp 

直接お持ちになる場合は地区館でも受け付けます。

見直し方針の全文は、立川市ホームページフロントページの図書館見直し方針を策定〜皆さんのご意見を募集しますというところ)ほか、市立図書館、市役所資料室(第1庁舎3階)、窓口サービスセンター、砂川支所、東部・西部・富士見連絡所、地域学習館でもご覧になれます。

【問い合わせ】立川市中央図書館管理係 電話042-528-6800