厳しい生活に追い打ちをかける国民健康保険料 4億円もの値上げ (2012年度 立川市特別会計国民健康保険事業予算への反対討論)

平均で、国保加入者1人当たり約7785円もの値上げです。

3月6日の予算特別委員会で、立川市国民健康保険加入者の生活がより一層厳しくなっているのに、2010年度(1昨年度)の約1億6000万円の国民保険料値上げに続き、実質約4億円の値上げが、下記のように、賛成多数で可決されてしまいました。


【賛成】 民主党公明党自民党、安進会、生活者ネットワーク

【反対】 共産党、みどり立川、市民の党(五十嵐)


年金の縮小・削減、復興増税、住民税の年少扶養控除の廃止、年金保険料の引き上げ、介護保険料の値上げ、後期高齢者医療保険料の値上げ、の増税ラッシュ。これに消費税増税が加わったらたまったものではありません。電力料金の値上げなどが正式に決まってしまえばさらに追い打ちをかけられてしまいます。

消費がさらに冷え込み、デフレが続けば、景気回復どころではなく、喜ぶのはほんの一握りの富裕層(大金持ち・大資産家・大富豪)だけです。

中央はもちろんですが、地方でも政治を変えなければなりません。

以下が、国民健康保険事業予算への五十嵐の反対討論です。



2012年度 立川市特別会計国民健康保険事業予算への反対討論


 私は、議案第4号 2012年度立川市特別会計国民健康保険事業予算に反対の立場で討論をいたします。


 立川市国民健康保険加入者の生活がより一層厳しくなる中で、2010年度(1昨年度)の約1億6000万円の国民保険料値上げに続き、実質約4億円の値上げ、1人当たりの平均で約7785円もの値上げをおこなうことは断じて許せません。


 特に今回の値上げは、加入者一人一人に賦課される均等割りの値上げがあり、家族の多い世帯ほど値上げ幅が大きくなるのが特徴で、7割、5割、2割の軽減措置を受けている低所得者世帯でも1割の値上げになります。給料収入が減り続け、可処分所得が減り続ける中での今回の4億円にのぼる大幅な値上げは、その他の増税と相まって、立川市国民健康保険加入者の苦しい家計や生活を直撃することは必至で、明らかに消費は冷え込みます。


 特に立川市では2000年度から2010年度までに約14億1872万円もの国民健康保険料の値上げをしてきており、被保険者世帯の家計を直撃してきました。


 国民健康保険料の滞納世帯数は年々ふえて高止まりの傾向にあり、2000年度から2011年度までの国民健康保険料滞納額の合計は158億2521万6754円、2000年度から2011年度までの不納欠損額の合計は33億1970万2339円と、国保滞納額や不納欠損額は毎年大きな金額になります。国保料の度重なる値上げが、国保滞納や不納欠損を生み出している原因の一端になっているのではないでしょうか。


 国民健康保険料の滞納額の時効は2年間、2年で納められなければ、結局不納欠損ということになり、市が補てんすることになります。


 そもそも、国民健康保険は中小零細自営業者や社会保険に加入していない中小零細企業に勤める者や、派遣などの非正規社員やフリーターや失業者や退職者など所得が少ない方々が加入する最後の受け皿的な役割を果たしています。


 もともと保険料で急増する医療給付を賄うのは無理があり、国が国庫補助の負担率を下げたために、構造的に市町村が一般会計から繰り入れをしなければならないようになっています。そのような構造的な欠陥があるとはいえ、被保険者に保険料の値上げを押しつけてはいけません。


 よって、議案第4号 2012年度立川市特別会計国民健康保険事業予算に反対いたしますが、国に国庫補助の負担率をもとに戻すように強く要望し続けることや、今後も、国保世帯の市民の生活がさらに厳しくなる中で、国の増税も目白押しになることから、ジェリック薬品の普及率を増やすなどの努力を最大限おこない、2011年度に国保料の値上げを見送ったように、少なくとも再来年度以降の値上げをしないように要望して、反対討論を結びます。


◆五十嵐けんのホームページ