立川市のホットスポット測定  西砂小・上砂川小・第十小を見学

 
立川市の空間放射線量測定は、昨年の6月の末から始まりました。

定点8ヶ所の測定は業者に委託し、学校の校庭や公園の真ん中の1か所2地点(地上5センチメートルと地上1メートル)。測定機器は堀場製作所PA-1000Radiを使用しており、この測定は現在も継続中です(その結果は下記へ)。

立川市内の空間放射線量測定結果について

立川市内8か所の定点調査結果 (PDF形式:48KB)




市の職員による測定は、市内の保育園、幼稚園、小学校、児童館・学童保育所、中学校、公園等、107か所 で、この測定も学校の校庭や公園の真ん中の1か所2地点(地上5センチメートルと地上1メートル)だけで、ホットスポットと思われるところは、一切測らずの状況でした。測定機器はDoseRAE2 PRM-1200(シンチレーション式サーベイメーター)で、6月27日から11月17日かけて各地点で3回測定しています(その結果は下記へ)。

立川市内、定点以外の施設についての調査結果(第一、二、三回比較用) (PDF形式:61KB)



立川市は、ホットスポットと思われるような場所の測定にはずっと否定的でした。市議会で何回も何回も、雨樋の下や砂場や側溝附近や遊具の下などのホットスポットと思われるような場所の測定をしてほしいと提案した結果、やっと市は、子どもたちが利用する市内公共施設等について、12月20日からホットスポットの空間放射線量(局所的な空間放射線量)を測定しはじめています(測定機器は堀場製作所PA-1000Radi)。


原則として、一つの施設につき3か所程度を測定し、地上5センチメートルの地点で毎時0.23マイクロシーベルトを超えると除染するということですが、保育園6施設で、幼稚園7施設で、この基準を超えた地点が出たということは、このブログでもすでに触れました。

2月2日に西砂小学校と上砂川小学校と第十小学校の測定を見学させてもらいましたが、保育園や幼稚園と違い、学校の施設にはいわゆる「雨樋の切りっぱなし」が多く(雨樋が下水道管につながっておらず地表にそのまま流れている場所が多く)、さらに、倉庫などの雨樋は壊れているところが散見され、測定箇所が3か所ではすまされない状況でした。


結果的に西砂小で、地上5センチメートルの地点で毎時0.23マイクロシーベルトを超えたのは8〜9か所で、一番放射線量が高いところで毎時0.50マイクロシーベルトぐらいでした。2メートル四方で放射線量が高いところもあり、主に雨樋の下でしたが、まさにいろいろな場所で高い線量が計測されていました。

上砂川小学校は、立川市で一番新しい小学校ということで、雨樋の切りっぱなしが非常に少ないこともあり、一番高いところで毎時0.17〜0.18マイクロシーベルトで除染基準を上回ったところはありませんでした。

第十小学校は、西砂小学校ほど雨樋の切りっぱなしが多くありませんでした。除染基準を超えたのは、2か所で、毎時0.26マイクロシーベルトと毎時0.29マイクロシーベルト。この他にもギリギリで毎時0.23マイクロシーベルトを超えない地点が数か所あったと思います。

(その時に、測定している職員から、1月26日に測定した松中小学校で毎時0.90マイクロシーベルトを筆頭に数ヵ所で除染基準を超える地点があったといことや大山小学校でも毎時0.50マイクロシーベルトを筆頭に数ヵ所で除染基準を超える地点があったといことを聴きました。)


特に、西砂小学校では、校舎と体育館をつなぐ渡り廊下の雨樋の切りっぱなしのところなど、子どもが頻繁に行き来するところでも高い線量が計測されており、市が「子どもたちが立ち入る場所ではありませんでしたから」と言うような「言い訳」が通用しない場所も含まれていました。

測定の仕方は、測定器を簡単にその地点において、毎時0.23マイクロシーベルト前後の値の地点を正式に時間をかけて測定し(5回測定し、その平均値を出している)、除染基準を超えるものをチェックしています。

西砂小では、約50地点ぐらい測定器を簡単において数値を確かめ、正式に測定した地点は約20か所。そのうちの8〜9か所が毎時0.23マイクロシーベルトを超えました。

毎時0.19から0.21マイクロシーベルトぐらいの地点もあって、本来ならここも除染してほしいという気持ちで正直後ろ髪を引かれる思いでした。


今回の見学の結果、もっと早く、ホットスポットの空間放射線量(局所的な空間放射線量)を測定すべきだったとつくづく思います(市当局には大いに反省してもらいですね)。

しかし、学校の倉庫などの雨樋が壊れているところが多いのには驚きました。これから花粉の飛ぶ季節になります。花粉に放射性物質が運ばれることを考えると、このまま雨樋の切れっぱなしや雨樋の壊れを放置すれば、せっかく除染をしてもまたそこが高い放射線量になる可能性があると思います。


【※写真のキャプション】

写真は右上から(下へ)、

西砂小の砂場(毎時0.07マイクロシーベルト
西砂小のつき山(滑り台とドカンのトンネルのある遊具!?付近 毎時0.08マイクロシーベルト
西砂小倉庫の雨樋下
西砂小雨樋下の放射線量(堀場製作所PA-1000Radi)
西砂小校舎と体育館をつなぐ渡り廊下脇の雨樋下(除染基準を上回る)
西砂小体育館脇(裏側ではなく表側の高線量地帯)


【追記】
西砂小ではすべての測定に約1時間30分もかかりました。それだけ測定する場所が多いということですが、上砂川小では30分弱、第十小では40分ぐらい。学校の状況によって測定にかかる時間も大分違います。
来週は南側の小学校の測定もあるようなので、再び見学したいと思っています。