1歩前進だけど問題あり 立川市の放射線測定について

6月市議会最終日の23日の議員全員協議会(非公開)の場で、立川市の「放射能への対応について(案)」が示されて、市の説明に対しての質疑などがおこなわれました。

放射能の「定点測定」は市内を2kmごとに区切った8箇所を委託会社に委託して空間放射線量の測定をおこない(7月末)、「定点以外の測定」として、保育園、幼稚園、小学校、学童保育所、児童館、中学校、公園などの92箇所について、市の職員が測定するとのことです。

つまり、ちょうど100箇所について、空間放射線量測定をおこなうことになります。測定の高さは地上より5cmと1mの地点の2地点。

6月24日に、市職員6名を放射線専門機関(日本原子力研究開発機構)に出張させ、測定箇所の選定や測定頻度等について、アドバイスを受けることになっていますが、市の放射線測定については、6月27日から測定開始予定で、放射能測定器は東京都から貸与された簡易放射能測定器(アメリカ製 DoseRAE2PRM−1200画像)でおこないます(市で同じ測定器を2台買う予定)。測定結果については、週単位で市のホームページで公表するとのことです。

また、小中学校のプールについても、放射性物質の測定を、委託会社に委託して、7月上旬から行う予定ですが、各校とも1回しか測定しないようです。

市民のみなさんや市議会の声をきいて、はじめはやらないと言っていた放射線量の測定をやることについては、だいぶ遅れた対応でしたが、1歩前進と評価したいと思います。

しかし、今回の放射線量の測定の予算は「予備費」を流用しての250万円と少なく、市が簡易的放射線測定器をたったの2台しか購入しないこと、保育園、幼稚園、小学校、学童保育所、児童館、中学校、公園などの測定は、それぞれ1箇所だけで、「ミニホットスポット」と言われるような比較的放射線量がたまりやすい場所などのこまめなチェックができないこと、小中学校のプールの測定が1回しかおこなわれないことなどの問題点もあります。

さらに、同じように心配する市民の声が大きい保育園や学校の給食の食材には何も対策をとっていないなどの不十分な対応と言わざるを得ません。


子どもたちの安全を本当に守るために、もっともっと市に声を上げていきましょう !!


以下は市が、議員全員協議会(全協)の時に出した資料の一部です。

青字のところは、全協の時の五十嵐の質疑の要旨です。

立川市における放射線量測定の基本的な考え方(案


1、目的

市民より放射選測定の要望が多いため、市域の空間放射線量の実態を把握するため測定を行うものであります。


2、空間放射線量測定


(1)測定高さ
1)地上より5cm 及び 100cm


(2)定点測定箇所
市内を2kmメッシュで分割し、各ブロックの1箇所を定点測定箇所とし、計8箇所について測定します。
1)西砂小 2)9小 3)砂川中央地区多目的運動場 4)幸小 5)南砂小 6)市役所北側広場 7)3小 8)諏訪のもり公園

※定点測定箇所の空間放射線量測定は、専門会社へ委託して実施いたします。(7月末から)


Q:五十嵐の質問:7月末からでは遅すぎる。早められないか?


A:なるべく早くしたいと考えている。


(3)定点以外の施設の測定箇所

保育園、幼稚園、小学校、学童保育所、児童館、中学校、公園等約92箇所

※測定は6月27日(月)から市職員が行う予定です。
※7月末までは、定点測定箇所も行う。


(4)測定地点
・各箇所とも校庭又は園庭の1か所とします。
・各測定地点は、周囲5m程度に大きな障害物がない場所を選定。


Q:五十嵐の質問:各箇所とも1か所の測定では少なすぎる例えば砂場やミニホットスポットと言われるような汚染度が高いと思われるところなど各箇所とも複数箇所測定すべき。例えば、保育園の園庭などでこの箇所を測ってほしいという保護者や現場のリクエストに応えるべきではないか?


A:1箇所を測定するのに40分くらいかかるので、原則1箇所としたい。


五十嵐の要望:ただ測りましたというだけではアリバイ的測定にもなりかねない。各現場から測定箇所の要望があれば、柔軟に対応すべきだ。


(5)測定頻度
1)定点測定箇所 1回 / 2週間
2)定点以外の施設 全施設を測定しますが、1週間で約20〜40箇所を測定予定


(6)公表の方法

測定後、概ね週単位でホームページに公表します。


3、プールの水質検査

小中学校等のプールの水質についても水質検査を実施します。


Q:五十嵐の質問:測定方法は?全校やるのか?また、どのくらいの頻度で測定が行われるのか?


A:早急に委託会社に委託して行いたい。全校で1回のみ測定する。


五十嵐の要望:もうプール開きをしている学校がほとんどだ。早急に測定をするとともに、各校とも1回のみの測定ではなく、雨などが降れば、値が変る場合もあるので複数回測定すべきだ。(これには、市側は1回測れば十分という認識のようだった)


4、その他
測定器は都貸与器1台と新たに2台を購入します。


Q:五十嵐の質問:新たに買う2台はどういうものか?性能が高いものを含めて、2台だけではなく、もっと多く購入すべきじゃないのか?


A:都貸与器と同じものを2台買う予定である。それ以外は考えていない。


五十嵐の要望:保育園や小学校などの測定は1箇所では不十分だ。きめ細かな測定をおこなうためにも、2台だけでは足りない。もっと測定器を買うべきだ。


保育園や学校の給食の食材についても対策をすべきとの要望もしておきました。今回の全協には、教育員会(教育長や教育部長)は出席していませんでしたが…。

空間、プールの測定をするんだから、内部被曝がより問題であることを考えると、当然給食の食材についても対策をとるべきです。


【追記】

この日は、9月4日におこなわれる立川市長選挙に清水市長が再出馬することも発表されました。なるほど、清水市長はなかなかの戦略家…。

例えば、翌24日の読売新聞の多摩版には、

立川市100か所放射線測定へ多摩市も小学校や保育園で」
「清水・立川市長、再選へ出馬表明」

という2つの記事がいっしょに出ていて、清水市長にとっては、いい宣伝になっていました。

立川市100か所放射線測定が “本当に” 立川市の子どたちの安全・安心につながるように、引き続き声を上げていきたいと思います。