2011年度立川市特別会計介護保険事業予算 賛成討論
以下は、2011年3月22日におこなわれた討論です。遅くなりましたが、ご報告します。
私は議案第6号 2011年度立川市特別会計介護保険事業予算に賛成の立場で討論いたします。
私は、介護は保険ではなく税金による福祉でと訴え続けております。介護保険の最大の問題は、本来保険方式で行うのに無理があるものを、保険料で運用しているところにあります。定額の保険料は、低所得者ほど負担の大きい逆進性を持ち、取れるところからたくさん取るのではなく、ぎりぎりの暮らしをしている年金生活者からも強制的に徴収する制度です。結局、介護保険料が上げられたり、サービスのカットや制限がつけられて、だれもが安心して介護を受けられる体制になっていないと考えて、2009年度までの介護保険の予算までは反対してきました。
しかし、2009年度の決算において国の補助事業関連とはいえ、保険料が引き下げられたことや、市独自の介護利用料の減免の対象の条件緩和により一部広げて、その後の2010年度の予算では、介護利用料の減免の大幅な増額があり、対象者が広がり、減免を受けられる方がふえていることを評価して、介護保険の予算や決算には賛成してきました。
2011年度の予算においても市独自の介護利用料の減免措置に約1200万円もの予算が一般会計からではありますがつけられていること評価して、今回の予算にも賛成したいと思います。
しかし、昨今の厳しい経済状況における介護世帯の生活の厳しい状況を鑑みると、介護利用料の減免に対する条件をさらに緩和して、課税世帯の一部にも介護利用料の減免を広げるとともに、保険料の減免措置に踏み切るべきだと考えております。さらに特養老人ホームの待機者もまだまだたくさんいますので、第5期の介護保険事業計画の策定において、介護保険料や利用料の減免をするような制度を市制度としてさらに充実することや、特養老人ホームの待機者を解消していくこと、さらに介護労働者の労働条件、環境の改善をして誰もが安心して介護を受けられる体制づくりをすることを要望いたします。
以上です。
【追記】
本来、介護保険でサービス利用料の負担は1割（10％）ですが、立川市では市独自の「介護サービス利用料減免事業」という減免制度を設けています。この制度は、生活保護をギリギリで受けていない方のために、この自己負担の10％のうち、7.3％または10％全額を助成する制度。つまり、自己負担が2.7％または0％で済むような助成制度ですが、この減免を受けるには厳しい条件があり、この減免を受ける人数が少なかったため、私などの議会からの要請により、2007年度と2008年度から条件が2度緩和された結果、下記のように、利用人数が大幅に増えています。
2006年度 当初予算額 300万円 利用者人数 7人 決算額 37万7927円
2007年度 当初予算額 345万円 利用者人数 2人 決算額 7万6392円
2008年度 当初予算額 345万円 利用者人数 31人 決算額 71万8407円
2009年度 当初予算額 345万円 利用者人数 64人 決算額 約628万円
2010年度 当初予算額 776万7000円 利用者人数（見込み）60人
このように2010年度の当初予算額が2007年度の決算額と比べて100倍になっています。今12月議会ではこの制度利用者が増えて（見込みで74ぐらいになるとのこと）、415万3000円の補正予算がつけられることになりましたので、当初予算と合わせるとその金額は1192万円になります。
介護保険制度自体にはまだまだ問題点が山積みですが、このような減免の市の担当課の努力、市長の姿勢を評価するとともに、さらに条件などを緩和して、困っている人が低負担できちんとした介護が受けられるように要望して、2009年度立川市特別会計介護保険事業歳入歳出決算の認定には賛成しました。
市の担当の方から話を聞くと、やはり、昨今の経済情勢から、今まで受けてきた家族からの援助が受けられなくなった方が多くなり、この介護利用料の減免を受ける方が増加しているとのことです。
介護サービス利用料減免事業の対象要件の変遷
2004年度 (1）生活保護を受けていない （2）住民税非課税世帯 (3)年間収入等が生活保護基準以下
2007年度 (1)生活保護を受けていない (2)住民税非課税世帯 (3)年間収入が120万円以下で世帯員1人増で50万円毎加算 (4)預貯金が150万円以下
2008年度 (1)生活保護を受けていない (2)住民税非課税世帯 (3)年間収入が150万円以下で世帯員1人増で50万円毎加算 (4)預貯金が350万円以下で世帯員が1人増で100万円毎加算
この対象要件に、住民税の課税世帯であっても苦しい生活を送っている方も加えてほしいと現在要望中です。
