2011年度予算案について (雑感 その1 評価できるところ)

2011年度予算は、企業業績などの一部持ち直しにより、法人市民税は23.4%の増加を見込んでおり、2年ぶりに増収となっていますが、個人市民税は市民の皆さんの個人所得の減で3.9%の減となっています。特に2010年度の立川市民の給与収入は前年と比べて一人当たり平均で14万7141円も減っています。リーマンショック以降3年連続の減ですが、他市では個人市民税も増収になっているところもあるようですので、14万7000円も収入が減っているということは、いかに立川市民の生活が厳しい現状になっているかを示していると思います。

(とりわけ所得が高いといえない立川市民にとっては逆進性の強い消費税増税などはもってのほかです。)

さて、今日は、2011年度、新年度予算の評価できるところをまず触れたいと思います。
(評価できないことも多々ありますので、そのことについては後日書きたいと思います。)

国民健康保険料の1億5000万円もの値上げをしなかったこと立川市国民健康保険運営協議会(国運協)での国民健康保険料の値上げを見送るべきという答申に従い、しぶしぶながらも値上げを見送ったことは評価したいと思います。

全小中学校の普通教室等へクーラー冷房設備(空調機)を設置すること。(約11億1600万円 そのうち4分の1強が主に都補助金、国の交付金も少しついています) ※1
認証保育所等利用者負担軽減補助事業を新規ではじめること。(約2000万円)
認証保育所、保育室、家庭福祉員及び認定子ども園(3歳未満が対象)に通う乳幼児の保護者に月額1万円を補助して、認可保育園と比べて割高な保育料の負担を軽減することにしたこと。(補助の仕方に若干問題がありますが一歩前進)

学童保育の時間を延長したこと。(約1000万円)今年の6月から平日は保育時間を1時間延長して午後7時までになります。また、土曜日や学校休業日の保育開始時間を30分早めて8時からになります。(夕方1時間の延長保育は有料)

予防接種の充実(約2億8000万円 そのうち約1億4000万円が都の補助金
乳幼児細菌性髄膜炎の予防のためにヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンの接種や、子宮頸がん予防接種を1割負担で受けられるようにしたこと。(費用の9割助成)財源の約半分は東京都の補助金(衛生費都補助金、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業)
予防接種補助を求める陳情が市議会で全会一致で採択されていましたので、予算がつけられて当然といえば当然です。

生ごみ分別・資源化モデル事業(337万5000円)
燃やせるごみの4割を占める生ごみ。これを燃やさずに減容化・たい肥化できれば、大きなごみ減量につながります。この事業は、大山自治会(550世帯)のご協力を得て、つまり、大山自治会の皆さんに生ごみを分別していただいて、3年間の予定で実施する事業です。最初の1年目はグリーンコンポを使い、その収集した生ごみの資源化をします。おおむね生ごみについては約90%近く減容し、その残りがたい肥になるということです。2年目以降は、すでに埼玉県久喜市などで取り組まれているHDM菌を使った方式で生ごみの減容化(消滅型)を試験的におこなう予定です。

地域活性化推進員の増員(371万4000円)=雇用就労支援対策の強化
雇用就労相談で成果をあげている地域活性化推進員は嘱託職員扱いではありますが、厳しい雇用情勢の中、求職中の市民を対象とした相談事業をおこなっています。またハローワークや商工会議所も把握できていないような市内企業や事業所をきめ細かく回り、潜在的な求人の掘り起こしをおこない、それを雇用に結び付けて成果をあげていることから、現在1名しかいないこの推進員を増やして、雇用対策を強化すべきと訴えてきました。それが実り予算化されました。財源は東京都の補助金(労働費補助金 緊急雇用創出事業)からの流用ですが、若者の雇用対策を含めて成果をあげてもらい、再来年度以降は独自財源を含めた固定的な予算化をおこなってほしいものです。


※1
この全小中学校の普通教室等へのクーラー冷房設備(空調機)設置は、市議会の中でほぼ全会派が要望していたことで、東京都の補助金(教育費都補助金)がついたことが大きいと思います。当初は小中学校の普通教室などにいっぺんに設置するのは無理で3年計画ぐらいで設置していくという答弁でしたが、1年間での設置の裏には、今年9月に市長選挙があるということも大きく影響していると思います(市長選挙対策)。


もっと早くから計画的に設置すべきものだったと思います。残念ながら、このクーラー冷房設備の設置工事は新年度の夏休みの期間中になりそうで、さらに遅れる可能性があることから、夏休み前の暑い時期には間に合いません。


それでも、全小中学校の普通教室等へのクーラー冷房設備の設置は評価できるものです。


下記のように約11億1600万円をかけます。


小学校普通教室空調機設置工事実施設計委託料 1409万9000円
小学校普通教室等空調機設置工事 7億2685万7000円


中学校普通教室空調機設置工事実施設計委託料 797万7000円
中学校普通教室等空調機設置工事 3億6714万1000円


【東京都の補助金
小中学校補助金 公立学校施設冷房化緊急支援特別事業 2億5420万円 (小学校1億7790万円、中学校7630万円)


まだ、きちんと確かめていませんが、この都の補助金のほかに、国の学校施設環境改善交付金がつき、地方債(市の借金)が小学校分で約3億4800万円、中学校分で約1億8580万円、合計で5億3380万円で、残りが一般財源からの予算づけです。