「どうしたら民営化をやめてもらいますか?」その答えは

igaken502008-10-23


 「私、頭が良くないんで、わからないんですけど、結局どんどんどんどん民営化に対して進んでいるんですけど、私は正直すごくいやなんですけれど、どうしたらやめてもらいますか?(5秒ぐらいの短い沈黙)民営化をやめてもらいますか?(10数秒秒ぐらいの長い沈黙・・・。)」

 これは10月11日、保育園の民営化を押し進めようとしている立川市がおこなっている4回目の西砂保育園の保護者説明会で出た質問ですが、私にとってもハッとするものでした。素朴だけれども、実は深くて鋭い質問。

 保育課長、子ども家庭部長、副市長とも、この素朴な質問に一瞬あっけにとられたのか、何も答えられず、秒数以上の長い沈黙のあとに、保育課長が意を決したように(私には溜息をついたように感じられました)、「財政が厳しく、待機児解消のためには・・・」といういつもの言い訳的な口上をとうとう述べましたが、もちろん、この質問に真正面から答えてはいません。保育園の民営化をつつがなく押し進めたい市当局にとってはまさに答えられない質問なのでしょう。

 その答えは、ボブ・ディランのプロテストソング(抵抗歌)『風に吹かれて』ではありませんが、風の中に舞っているのかもしれません。

いくつの耳をつけたなら政治家は民衆の叫びが聞こえるのか?
その答えは、友だちよ、風に舞っている。
答えは風の中に舞っている。

 『風に吹かれて』は1962年に二十歳のディランがニューヨークの街で公民権運動とであって生まれた歌と言われています。

 「どうしたら民営化をやめてもらいますか?」

 あなたなら、この質問にどう答えますか。

 以前にも書きましたが、立川市の保育園民営化方針はあくまで「行政内部での決定」でしかなく、法的に決まったわけではありません。つまり、市議会で公立保育園を廃止する条例改正と民営化の予算を盛り込んだ予算案が可決されなければ、確定し決定事項になったわけではありません。

 子どもたちの最善の利益を確保するにはどうすべきなのか、その答えも風に舞っています。

※写真は西砂保育園