消えた年金、消された年金

igaken502008-09-23


 安倍前首相に続く福田首相の政権ポイ捨てで、まさに政権交代を問う総選挙へのカウントダウンが始まっていますが、昨年の秋以降、政権交代のための活動を続けています。具体的には、主に首都圏の自民党の強い小選挙区などで、民主党の新人候補や現職でない予定候補の応援に入って、その選挙区でいろいろなお宅に飛び込み、「ポスター貼っていただけませんか」とポスター貼りの仕事をしています。

 今日は東京のある小選挙区にポスター貼りに行きましたが、あるお宅で『消えた年金』の話になりました。その方は3年8か月も働いていた記録が残されていなかったとのことで社会保険庁のずさんな事務処理ミスを相当怒っていました。この手の『消えた年金』の話はポスター貼りに行くと少なからず出てくる話なのですが、その方は「それでも自分はきちんと対応できたからいい方だよ。政権交代したからといってすぐに年金問題が解決するとは思わないけど、自民党よりはいいんじゃないの」と言われていました。最近ある方から、お連れ合いが今の仕事に就く前に働いていた記録がないとわかったという話も聞いていたので、『消えた年金』問題はまだまだ根が深いと感じます。

 そのずさんな処理による『消えた年金』問題が解決しいない中、故意におなこわれた『消された年金』問題についても社会保険庁の実態調査でその一端が明らかになっています。

 『消された年金』問題とは、経営難で保険料負担を減らしたい会社側と、保険料収納率をアップさせたい社会保険庁職員の利害が一致し、厚生年金保険料の算定基準となる標準報酬月額(月給)が不正に引き下げられて、その改ざんによって年金の支給額が減らされてしまっているということです。もちろん、従業員が知らないうちにおこなわれるケースが多く、年金額が減っていることに気付かないままの人もかなりいるのではないかと言われています。

 社会保険庁の実態調査によると、厚生年金保険料の算定基準となる標準報酬月額(月給)の改ざんについて、1995年に東京の社会保険事務所で不正引き下げを指南していた事案として職員1人の関与を認めたとのことです(まさに犯罪としか言いようがありません)。

 総務省年金記録確認第三者委員会には改ざんを疑わせる事例の申し立てが相次いでおり、「改ざんは組織ぐるみだった」と実名で証言する元職員もいることから、この改ざんによる犯罪行為は氷山の一角にすぎず、社会保険庁の組織的関与も当然の如く疑わざるを得ません。

 その後、9月18日の参院厚生労働委員会の閉会中審査では、このような年金改ざんの疑いがあるものはコンピューター上だけで6万9000件もあることが判明し、舛添厚生労働大臣も「明確な証拠はないが組織的な関与があったであろう」と社会保険庁の組織的関与をほぼ認めています。

 社会保険庁は、全オンライン記録を調査し疑いが濃厚の事案は本人に通知し、受給者には来年度中に標準報酬月額の記録を送り確認を促すとしていますが、改ざんの発見は相当困難であるとみられていることから、改ざんが組織ぐるみであったことを調査し、改ざんの実態を明らかにすることが先であると思います。

 そもそも、昨年7月の参議院選挙の公約として安倍前首相は「最後の一人まですべて記録をチェックし、年金を支払う」として、その選挙後に厚生労働大臣になった舛添サンも「最後の一人、最後の一円まで命がけでやる」と言っていました。その後の舛添サン「できないこともある」「神様がやってもできない」と発言を修正し、開き直りとも言える対応を連発してきました。消えた年金問題でも、消された年金問題でも、もう自公政権に任せられないことは明らかです。やっぱり政権交代しかありません。

政権交代は市民の力で!! これからも微力を尽くしていきたいと思います。