多摩地区ゼネコン談合、30社に6億円の課徴金納付の審決 - 立川市議会議員　五十嵐けんのブログ　Many Rivers To Cross

立川市は談合ゼネコンに損害賠償請求と厳格な罰則を

　7月28日、公正取引委員会は、東京都多摩地区の公共工事の入札談合で大成建設や清水建設などゼネコン33社の独禁法違反を認定、うち30社に総額6億202万円の課徴金納付を命じる審決を出したという報道がありました。いわゆる「多摩地区ゼネコン談合」にやっと「クロ」という判定がされたのです。

　そもそも、この「多摩地区ゼネコン談合」は、東京都の外郭団体『東京都新都市建設公社』が1997年10月から2000年9月にかけて立川市をはじめ八王子市、町田市、日野市などの委託を受けて発注した下水道工事などで入札参加企業が談合を繰り返していたと、公正取引委員会が、大成建設、清水建設など入札参加企業34社に対して、2001年12月14日に独占禁止法の規定に基づき課徴金納付命令を出したことで発覚した談合事件です。

　当時の報道では、課徴金の対象となった入札は38件で受注総額は約116億円、課徴金は最大で大成建設5046万円、最小で西松建設329万円の計6億9021万円でしたが、ゼンコン側は談合をしていないと不服を申し立て、即日、審判（裁判）手続きをして、長い審判が行われていたのです。上記のように、その審決（判決）がやっと出たのです。

（審決では徳倉建設は談合の当事者ではなかったと認定し、またオリエンタル白石など３社は談合に加わっていたが、受注工事が談合の対象だったかは不明確として、課徴金を命じなかった。）

　課徴金納付命令の対象となった38件のうち、6件の下水道工事が、立川市が新都市建設公社に委託して発注したものでしたが、審決では対象となったのは31件で、立川市の工事は5件になっています。

　そのうちの3件が大成建設と不動テトラ（当時は不動建設）のＪＶ（共同事業体）が、2件が飛島建設と高松建設のＪＶが受注していますが、5件の工事の予定価格（上限価格）総額は16億5545万4000円、落札金額の総額は16億3420万円で平均落札率は98.72％です。もし談合がなく、2割安くなっていれば、約3億3000万円も契約差金が生まれ、節約ができていたはずです。

立川市は直ちに損害賠償請求を!!　血税を取り戻せ

　この多摩地区ゼネコン談合事件が発覚してから、立川市が損害賠償請求を行い、談合ゼネコンが応じなければ訴訟を起こすべきと訴え、談合による損害額を取り戻し、厳格な罰則を科すべきと何度か質問して来ましたが、市の答えは審決の結果を見てから判断すると及び腰でした。審決で談合をしていたことが確定した以上、立川市は直ちに談合ゼネコンに損害賠償請求を行い、損害金額（＝われわれの血税）を取り戻し、厳格な罰則を科すべきです。談合・不正を決して許していけません。

立川市の工事で課徴金納付の審決が出た5件

① 工事件名
② 落札者
③ 予定価格
④ 落札金額
⑤ 落札率
⑥ 入札日

1件目
① 立川市公共下水道上水雨水第2幹線築造第1期工事（公社第10−1工区）
② 大成建設・不動テトラＪＶ
③ 4035万4000円
④ 4020万円
⑤ 99.62％
⑥ 1998年9月28日

2件目
① 立川市公共下水道上水雨水第2幹線築造第1期工事（公社第10−2工区）
② 大成建設・不動テトラＪＶ
③ 2億6605万7000円
④ 2億6500万円
⑤ 99.6％
⑥ 1998年12月25日

3件目
① 立川市公共下水道上砂町雨水ポンプ場築造第1期工事（公社第10−3工区）
② 飛島建設・高松建設ＪＶ
③ 2億5706万7000円
④ 2億5700万円
⑤ 99.97％
⑥ 1999年3月29日

4件目
① 立川市公共下水道上水雨水第2幹線築造第2期工事（公社第11−1工区）
② 大成建設・不動テトラＪＶ
③ 9億8986万7000円
④ 9億7000万円
⑤ 97.97％
⑥ 1999年5月6日

5件目
① 立川市公共下水道上水雨水第2幹線築造第2期工事（公社第11−3工区）
② 飛島建設・高松建設ＪＶ
③ 1億210万9000円
④ 1億200万円
⑤ 99.89％
⑥ 2000年1月6日