日本の政治を変える地鳴り 
もったいない が、自・公・民相乗り に 勝った!! 
滋賀県知事選 かだ由紀子さん当選
選挙戦後半で「予想外の接戦」と永田町がざわめきだしたようですが、その滋賀県知事選挙(投開票は 7 月 2 日)で、自民・公明・民主党、連合などの 200 以上の団体の支援を受けて 3 選を目指す現職に挑戦した かだ(嘉田)由紀子さん(環境社会学者、京都精華大学教授)の応援に、 6 月 28 日から 7 月 2 日まで行ってきました。

選挙結果は、「滋賀ショック」「予想外」「まさか」「なぜ」と報道されるように、来年の統一地方選挙参議院選挙を控える中で、永田町を震撼させる かだ由紀子さんの圧倒的な勝利でした。草の根の市民選挙が、自公民相乗りNO、大型公共事業NO、という県民の声のうねりを呼び、未だに利益誘導型の政治にしがみつく既成政党に勝ったのです。

滋賀知事選確定得票数

 当  217842 嘉田由紀子=無新
    185344 国松 善次=無現[自][民][公]推薦
     70110 辻  義則=無新[共]推薦

この勝利のキーワード、合言葉は「もったいない」。 滋賀県 の借金は 1 兆 1000 億円を超え、県民一人当たり約 83 万円。県の貯金にあたる基金も 2 年後には「0」になるという状況。

にもかかわらず、現職知事は、周辺整備を含めて総額 650 億円の費用がかかる「新幹線新駅」の建設を強行しようとしたり(乗換駅のアクセスが悪く不便で、「ひかり」「こだま」だけで「のぞみ」が止まらず、 1 時間に 1 本しか停車しない、経済効果がほとんどない駅、ちなみにこの新駅ができる栗東市は現職知事の地元)、必要のない 6 つのダム計画(総額 3500 億円以上、県負担 800 億円以上)を推進しようとしていました。かださんは、新幹線栗東新駅やダムなど大型事業を「もったいない」と凍結(実質的な中止)を主張し、ムダな公共事業よりも福祉・子育ての充実をと訴えました。当然と言えることを当然に「もったいない」と訴えたことが、共感を得て当選につながったのです。

私は、朝から晩まで電話かけのボランティアをしましたが、 滋賀県民の皆さんとの対話の中で感じたのは、「小泉改革」によって拡大している「格差社会」への沸々とした怒りでした。増税続きなのに、ムダ遣いばかりしている政治・行政への不満が頂点に達してきているという印象でした。この勝利の背景・底流には「格差社会」への不満や反発が確実にあったと言えます。

問題なのは、情けない民主党の対応です。政権交代を目指すのであれば、自公との相乗りはやめるべきで、少なくとも、新幹線新駅やダム計画について支持者や県民の声を聞いて判断すべきでしたが、かださんの推薦依頼を断って、県民がNOと言うような計画を推進する知事を推薦するとは…。

新聞社の調査によれば、民主党支持層の 65 %がかださんに投票、支持政党なしでは 60 %と、割合で言えば無党派層より民主党支持層のほうが多くかださんに投票しています。

今回のかだ由紀子さんの勝利=「滋賀ショック」は、 2001 年の堂本暁子さんが「保守王国」千葉で県知事に初当選した後で、このままでは自民党がもたないと小泉首相を総裁選で選び政治の流れが変わったように、自民党の総裁選(ポスト小泉)、さらに来年の統一地方選挙参議院選挙前にして、大きなターニングポイントになるのではないかと思います。日本の政治を変える「地鳴り」の予感です。日本のほぼ中心に位置する琵琶湖の国=湖国滋賀からの波紋が、市民の力による政権交代につながるかどうか、とにかく、そのような新しい流れ、格差社会を是正する政治の力がさらに大きくなるように全身全霊でこれからもがんばりたいと思います。

かだ由紀子さんは、暮らしの視点から琵琶湖の保全や地域研究を行い、 30 年近く県内を歩き、地域の声を聞いてきた中から「もったいない」という言葉をキャッチフレーズにしたと語っていましたが、その地道な活動に裏付けられた公約を実現し、孫や子どもにツケを残さない、「もったいない」を活かす県政をつくって行けるようにがんばってもらいたいと思います。

私も、もっともっと 立川市民の皆さんの声を聞き、立川市の「もったいない」を探して、もったいないを活かせるようにしないといけませんね。とにかく、立川市議選の疲れも吹き飛ぶような勝利、そして日本の政治を変える勇気をあたえてくれる勝利でした。かださん、そしてボランティアの皆さんお疲れ様でした。そうそう、この選挙で一つの名言(迷言 ?! )が電話かけのボランティアの一人から生まれました。

「もう舌がツリましたワ」…。