談合事件  元総務部長裁判から 2 年

議員の口利きや業者等の不正な働きかけを防止する
 
口利き記録化公表制度と内部告発制度の確立を

 2 年前の 4 月 16 日は、 立川市 の水道工事をめぐる入札談合汚職事件で逮捕された元総務部長の初公判が東京地検八王子支部でおこなわれた日です。裁判は、青木市長や談合に関与してきたとされる市議の疑惑には一切ふれない即日結審で、 1 年 6 ヶ月の求刑がなされ、たった 1 時間半の呆気ない、あまりにも不自然なスピード裁判でした。

 その前におこなわれた元契約課長(事件で逮捕・有罪)の裁判では、契約課長自身が、契約課長就任時に前任者である元総務部長からの引継ぎで、水道工事では A 市議に、土木建築工事で B 市議に協力しなさいと言われたと証言。元総務部長のノートに業者選定の指示を受けているとして A 市議、 B 市議の他に現職の C 市議も登場。また、元総務部長の同席のもと第2助役室で、清掃業者 D 社の E 社長から談合に参加しない業者を入れないよう指名選定の要請を受け、さらに、委託業務で F 党の市議ほぼ全員から、 J 市議や K 市議(元職)からも業者名が書いてあるメモを受け取り、複数の請託を受けたと証言しています。また、水道工事以外の土木工事でも、元総務部長から「青木市長の指示」だとして不正指名を求めるメモを受け取り、そのとおり指名したと述べていました。

 元契約課長の衝撃的な証言から、自民、公明、共産などの市議や元市議で清掃会社社長などの「口利き・圧力疑惑」や市長の不正関与疑惑が浮上したわけですが、口利きをしたとされる議員はそろって口利きを否定、市長も疑惑を全否定しました。しかし、事件後に弁護士のチームがおこなった職員へのアンケート調査では議員や業者などから、頻繁に口利きや働きかけがあったという結果が出ているにもかかわらず、結局、市議会の事件究明特別委員会は、私、五十嵐以外の自民党から共産党の委員の賛成で打ち切られ、未だに真相は闇の中です。

 しかし、 立川市 では、依然として、議員の口利きや業者などの不正な働きかけを防止する 
?働きかけ・口利き・要望等の記録化・公表制度の確立 

?内部告発制度(公益通報制度)の確立

までには至っていません。

 入札談合事件が起こる前から、上記の 2 つの制度の導入するように何度も質問してきましたが、市は内部告発制度の導入については検討しているものの、働きかけ・口利き・要望等の記録化・公表制度についてはガンとして導入しないと私の提案を突っぱね続けています。この制度をつくるなという「圧力」でもあるのでしょうか  ??? 。


 口利き・要望等記録化制度は、改革派で知られる片山善博鳥取県知事が全国に先駆けて4年前から始め、議員などの口利きの絡む汚職事件などがあった県や市町村で、広く導入されています。片山知事自身が「良い口利きだったら、みんなの前で堂々と言えるはずです。悪い口利きは、コソコソとしかできない。良い口利きはどんどん議場でやるようになる。鳥取県では議会の議論が活発になりました」と言うように、非常に効果が高いと言えます。

 とにかく、議員の口利きや不正な働きかけが横行していた 立川市 では、どうしても必要な制度です。この口利き・要望等記録化制度と内部告発制度(公益通報制度)の導入に向けて、これからも粘り強く要請していきます。


口利き・要望等の記録化・公表制度は一石四鳥

1、悪い口利きや圧力は排除できる

2、良い口利きは議場でおこなわれるようになり、議会の議論が活発になる

3、職員が情報を共有化でき、個人的な対応にならず、組織的な対応が取れる

4、市民には、議場以外での政と官とのやりとりが明らかになり、政官癒着という不信感が解消できる