耐震偽装 立川市は大丈夫 ?!
 国会では関係者たちの証人喚問が行われ、いわば責任の押付け合い合戦が繰り広げられている感のある耐震強度偽装問題保坂展人衆議院議員ががんばっていましたが、全体的に見ると証人喚問時間が短く、追及し切れていない印象を受けました。

  稲城市羽村市小金井市 、日野市や狛江市でも偽装マンションがあることが発覚し、立川市としても他人事で済むと言う状況ではなくなってきました。今回の耐震偽装が氷山の一角であり、建築業界に「談合体質」と同じように「手抜き体質」が蔓延していたらと思うとやり切れない気持ちになります。

 一昨日の市議会・環境建設委員会では、 立川市 には 1995 年以降、建築者のヒューザーや施工者の木村建設姉歯建築士が設計に関わった物件はないと報告がされましたが、偽装を見逃し、国土交通省の立ち入り検査を受けた民間会社が建築確認審査をした物件はたくさんあることがわかりました。(ちなみに、立川市自身が建築確認をした物件はすべて偽装はなく、しっかり検査しているとのことです。)

 以下は国交省の立ち入り検査を受けた民間会社が、 2001 年から 2005 年(直近)までに、立川市内の物件の建築確認審査の処理件数です。

日本 ERI  536 件 そのうち構造計算書を必要とするもの  275 件

イーホームズ 132 件 そのうち構造計算書を必要とするもの 63 件

東日本住宅評価センター  337 件 そのうち構造計算書を必要とするもの   239 件


日本ERIは、昨年4月に、同社が建築確認した物件について、姉歯建築士の構造計算書には重大な偽造があるという指摘を受けながら、何も対応しなかったとして批判されており、耐震偽装問題が発覚した後も偽装の見逃しが次々に明らかになった会社。

イーホームズは、当初発表された姉歯建築士による偽造物件 21 件のうちのほとんどを建築確認した会社。簡単に見抜ける偽造を見逃していたとされる。

東日本住宅評価センターも、姉歯建築士の偽造を見落としていた会社。同社が過去5年間に建築確認を出した構造計算書788件を再点検した結果、9割以上に必要な書類が添付されていないなど、ずさんな審査をしていたことが明らかになっている。

市当局の答弁によると、相談があれば応じて構造計算書などをチェックする NPO 法人などを紹介するとのことですが、積極的に、疑惑のある検査機関の建築確認を受けたマンションなどにお知らせするなどして、市から働きかけることは一切しないとのことです。如何にも“お役所的発想”で、あまりにも消極的な答弁には残念というほかありませんでした。市には安全がないがしろにされている状況に対して、いつでも市民・住民の立場に立って対応してもらいたいものです。事は命にかかわる問題ですから、市に耐震偽装問題で問い合わせが増えれば、その消極的な対応は変わらざるを得ないと思われます。

 特に、狛江市で耐震偽装が発覚したマンションは、イーホームズが建築確認したことを知った住民が建築主のハウジング大興に問い合わせをして、はじめは、「姉歯氏とは関係ない」と報告されていたようです。しかし、実際は、設計を担当した井上建築企画研究所が姉歯建築士に構造計算書を下請けに出していたものとわかり、再度調査して発覚したものです(東京都の多摩建築指導事務所が構造計算書をチェックし、いったんは「偽造はなかった」と発表していた)。

不安をお持ちの方は市・建築指導課へ問い合わせを !!
 今後、市が積極的に情報公開し、不安をもっている方の要望に応えていくように、働きかけていきたいと思いますが、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と不安な方は、まず、市役所の都市整備部・建築指導課まで、お問い合わせください。

 同課では、どこの民間会社が建築確認審査をおこなっているかを縦覧しており、その会社名がわかります。

【連絡先】 立川市  都市整備部 建築指導課

     042−523−2111(内線487)

 また、横浜市で は市内すべての分譲マンションを対象に、構造計算書の再調査に補助金を出すと発表し、費用の3分の2を助成すると報じられています。横浜市がマンションの管理組合から申し込みを受け付け、同市が建築士の団体に再調査を委託する予定で、費用は床面積3000平方メートルあたり50万円程度という事だそうです。立川市でも同様な措置が取れるかどうかを模索し、市に訴えていきたいと思います。その件に関してのご意見は五十嵐けん事務所までお寄せください。

五十嵐けん事務所 TEL 042−523−0144

         FAX 042−523−0520