3月31日は、入札談合・汚職事件の元砂川支所長の岡部被告と前契約課長の大野木被告の公判と市議会の「入札事件原因究明と再発防止調査特別委員会」が重なってしまい、公判は傍聴できませんでした。「百聞は一見に如かず」と特別委員会で「視察」という形で裁判を傍聴すべきと中島特別委員長(公明党)に要望書を出しましたが、特別委員会では、この提案は自民党公明党、民主系はもとより、共産党の委員までに反対され実現しませんでした。しかし、少し前に鈴木宗男衆議院議員の「口利き」問題(「ムネオハウス」の追及)でがんばっていた共産党までがなぜ反対するのでしょうか? この特別委員会では“野党”は私一人だけみたいな錯覚にとらわれることがよくあります。率直に言って…。

今まで私は市の職員と業者の裁判を13回中10回傍聴していますが、その中で自民党改革クラブの佐藤・清水両議員が数回、生活者ネットの坂下議員が1回、市民クラブの大沢議員が複数回傍聴している以外は他の議員が傍聴に来ていません。

現在、裁判における被告の証言は、事件の原因究明のためにも再発防止のためにも、貴重な情報になっており、私は直接聞く必要があると考えていますが、いつも他の議員が傍聴に来ないのは“なぜだろう”と不思議に思っているところです。

今日の岡部・大野木被告の裁判を傍聴された方に聞くと、岡部被告に懲役3年、追徴金685万円(ワイロとして受け取った額)、大野木被告には、懲役1年6ヶ月が求刑されたそうですが、大野木被告の被告人質問では、前回の市議会議員の名前がまた挙げられ、不正入札や「口利き」などの実態が証言され、さらに「ある課長が、業者からの情報漏えいを断り、1年で配置転換をさせられた」との新たな証言も飛び出したそうです。さらに、大野木被告の弁護人は、主要政党の多くの市議が職員に働きかけをしていたと主張し、既に逮捕され、4月16日に初公判がおこなわれる前総務部長の畠山被告の「課長職は、市議の一声で更迭されるかも知れず、市議の要望には懸命に応えてきた」という供述調書を引用して、前回の裁判と同様に、組織的な談合体制の中で一人で不正をただすのは不可能と情状酌量を求めたそうです。

疑惑はさらに深まるばかりです。

特別委員会では、市の調査委員会の専門委員の弁護士チームが出した職員への実態調査の報告書や逮捕起訴された業者・皆木被告の裁判で「水道関係はA議員(岡部被告の叔父で元市議・故人)、土木建築関係はB議員(現職市議)が調整し、行司役として市に働きかけをしている」「(市議の)先生の言うことを聞いていればポストがもらえ、出世できる。言うことを聞かなければ左遷される」と証言されたことについて市長に質問・追及。

職員の実態調査の結果のように、市議の口利き・働きかけや、不正・不透明な人事があるのか? その実態を本当に知らなかったのか?? 皆木被告が証言しているようなことが本当にあるのか??? との私の質問に、青木市長は「市議会議員の言うことを聞かないから左遷するということは一切なかった」と疑惑を完全否定しましたが、A市議・B市議の不正入札への関与や職員の実態調査の結果については「知らなかった」「よく分からなかった」と繰り返すばかりでした。

もうそれだけでも最高責任者として失格と言えますが、青木市長は立川市の幹部職員歴任後、助役を2期以上勤め、市長として5期目。自民党のA市議・B市議は与党の中核として長年青木市長を支えてきた市議です。本当に何も知らなかったのでしょうか?? 

秘書係長を7年、契約課長を4年、秘書課長1年その後に総務部長に昇進し、『青木市長の秘蔵っ子』として出世街道まっしぐらだった畠山被告が「課長職は、市議の一声で更迭されるかも知れず、市議の要望には懸命に応えてきた」と供述し、裁判で複数の証言がなされ、職員の実態調査でも指摘されている不正・不透明な人事。本当に一切なかったのか?? 畠山被告の初公判がまたれますが、市長の疑惑の灰色がまた黒に近づいてきたと言って、過言ではありません。引き続き、追及を深めていきます。