3月30日、市の入札事件再発防止調査委員会を傍聴。注目していた弁護士の専門委員チームによる職員へのアンケートやヒアリング調査をまとめた『立川市入札事件実態調査結果及び提言等報告書』が提出されました。112ページに亘る分厚いもので、幹部職員などにおこなわれたヒアリング調査などの詳細な分析と職員の改善提案などに基づいて提言などがなされています。

提言としては、

その1
1、倫理規定、実務マニュアルの作成
2、倫理研修の充実、強化の励行

その2
1、電子入札制度の導入
2、市外業者の入札参加拡大(市外業者を含めた指名競争入札あるいは一般競争入札を広く採用すべき)
3、入札・契約担当部署の権限集中の改変、機能化

その3
適正な人事行政、人事管理の実行をあげて、最後に

「本件実態調査の結果に徴すると、岡部昭凱、畠山一美、大野木隆の3人の職員を幹部職員として任用、配置していたことは、市の行政上、適正な人事を欠いていたということであり、帰するところ、この点で市長の行政上の責任は重大といわざるを得ない。
 したがって、当チームとしては、最後に、立川市における人事管理、人事配置を洗い直し、適正な人事行政を実施すべきことを、敢えて提言するものである。
 なお、過去において、ある入札事件の選定業者に指名されなかった市内業者の抗議を受けて、豊田助役が、改めて他業者を指名業者に加えることを指示し、これに関して青木市長が、業者選定は規定の方針に徹すべきだとの所感を漏らしたという問題がある。
 この問題については、被告人とされた岡部、畠山、大野木のほか、公判廷で名指しされた当該入札・発注関係職員、更にはそれと関わりがある市議会議員がいることとすればその議員など、関係者のすべてを、市又は市議会において、改めて調査し、その行政責任の所在等を明らかにすべきであって、その調査は当弁護士チームの委託業務である実態調査とそれに基づく改善案等提言の任務を超える事柄であることを付言する」と結ばれています。

以上のように、弁護士チームは、関係者のすべてを改めて調査するようにということを最後に提言しています。私もまさにそう思います。本当の原因究明をして、本当の再発防止策を追求するのであれば、当然だと思いますが、皆さんはどうのように考えますか?それができるかどうかは市民の皆さんの声がなければ到底できません。もちろん、私も議会の中で最大限がんばります。が、入札事件関連の裁判で、市長、助役はもとより、ほとんどの大きな会派の市議の名前があがり、事件への関与や口利き問題がとりざたされており、晴れない疑惑として、大きく横たわっているからです。皆さんいっしょに声を上げてください。


なお、報告書に記された市議会議員、業者や職員(上司など)の「口利き・働きかけの具体的内容」は、以下の通りです。

(1)水道業者から、職場で、「入札の指名業者に入れて欲しい」と丁重に言われた。

(2)上記の業者が、自宅に来て「入札の指名業者に入れて欲しい」と丁重に言われた。

(3)市議会議員から、職場で「ある業者を入札の指名に入れて欲しい」と丁重に言われた。

(4)市議会議員から、議員控室で業者を紹介され、「今後の工事の指名にこの業者を入れて欲しい」と言われた。市議会議員の仕事の一つなのでやむを得ないと感じた(他に同種事例9件)。対応:10件のうち3件受け入れた

(5)電気設備業者から、職場で、「指名が受けられるよう、契約課に「口をきいて欲しい」と、どうせ駄目だろうがとりあえず頼んでみようという感じで言われた。

(6)市議会議員から、職場で、設計事務所の人を紹介されながら「耐震診断業務の仕事がでたときは一つよろしく。良い事務所なのでお見知りおきを願いたい」と丁重に言われた。議員としての立場をわきまえた発言と感じた。

(7)市議会議員から、議員控室で業者と業者の扱っている製品の紹介をされ、「よい製品なので機会があればつかってやって欲しい」と言われた。議員の仕事だから仕方ないと感じた。

(8)業者から、職場のカウンターで、「入札に指名して欲しい」と丁重に言われた(外に同種事例6件)業者の必死さ・熱心さを感じた。

(9)市議会議員から、職場で業者を紹介され、「この業者から機械設備を買うように高圧的に言われた。

(10)市議会議員から、職場に電話で、「競輪場のサービス品であるテレフォンカード50枚位持ってくるように」と要求された。対応:受け入れた

(11)市議会議員から、職場で、浄水器のパンフレットを持参し、「この浄水器を使ってくれないか」と頼まれた。困惑した。

(12)職員から、職場で、工事の発注時期と設計金額を聞かれた。何だこの人は、とあまりいい気持ちはしなかった。対応:受け入れた

(13)市議会議員から、職場で、「清掃関係の委託で、○○会社を指名して欲しい」とお願いするような感じで言われた。困惑した(外に同種事例2件)。

(14)ある団体の人から、職場で、「会って欲しい」と言われた際、清掃業者を同行してきた。腹立たしく感じた。

(15)市議会議員から、議員控室で、ある業者を紹介され、「仕事がでたらこの業者にもお願いしたい」と普段と変わらない話し方で、業者の名刺を差し出された。業者とは会いたくないと思った。

(16)市議会議員から、職場に、電話があり、「仕事がでたら○○業者をよろしく」と普段と変わらない話し方で言われた。市議会議員の仕事の内なのでやむを得ないと感じた。

(17)ある団体の人から、職場で、○○清掃会社を入札の指名登録業者に登録して欲しい」と最初は丁寧に、途中から脅迫的に言われた。怒りを感じた。

(18)水道業者から、職場に「いつ頃仕事がでるのか」と横柄な聞き方をしてきた。失礼ではないかと感じた。対応:受け入れた

(19)市議会議員から、議員控室で、清掃会社を紹介され、「よろしく」と丁重に言われた。

(20)積算をした業者から、職場に、電話で、給湯管の修繕について積算の内容の変更の問い合わせがあった。ある程度説明は必要だと感じた。対応:受け入れた

(21)業界新聞の記者から、職場で、工事情報を集める為、「工務課にはどんな工事がでているでしょう」と聞いてきた。どこまではなしていいのか迷うことがある(外に同種事例4件)。対応:受け入れた

(22)業者から、職場で「どの会社が指名されているのか」と聞いてきた。

(23)業者から、職場に、電話で、「物品購入の見積依頼を出してくれ。市議会議員から頼まないと出してくれないのか」と高圧的に言ってきた。嫌な人だなと思った。

(24)市議会議員から、職場で、物品の見積り合せの方法について質問を受け、「○○会社が指名登録するからよろしく」と言われた。指名登録は誰でもできるので、特に問題は感じなかった。

(25)市幹部から、議員・業者同席の職場で、「○○業者が業者登録するから呼んでくれ」と言われた。何のことかよく分からなかったが聞き直すこともしなかった。

(26)入札の指名業者が、職場で、工事の内訳書を持ってきて、「大丈夫でしょうか」と言ってきた。あきれた。

(27)業者から、職場で「指名業者は何社位になるのでしょうか」当たり障りのない感じで聞いてきた。入札に慣れていない業者だと感じた。

(28)業者から、職場で、「どうしてウチに連絡がこないのか。今からでも入札執行通知書を作ってくれ」と高圧的に言われた。そんなことが出来る訳がない、何を考えているのか、と感じた。

(29)業者から、職場で、「工事がいつ頃でるのか」と丁重に聞かれた。対応:受け入れた

(30)業者から、職場で、「こういう工事があると聞いたのですが、いつ頃発注されるのですか」と聞いてきた。営業活動の為かな、仕方ない、と感じた。

(31)上司(課長)からの話として、業者から、職場で、大きな建物のゼネコン工事の際、「○○者のエレベーターをつかってくれ」と聞いたことがある。

追加ヒアリングの口利き、働きかけの具体内容

(1)市議会議員から、電話で職場に丁重に、入札参加メンバーに大手ゼネコンの関連の設計会社が入りたいと言っている。営業をいかせるので話しを聞いてやってほしい。その後にその議員の名刺を持ってその会社の営業がきた。

(2)業者から、電話で職場に恩義を売る感じで、来年度予定している工事を一本で発注すればコストが安くできる。工事情報を流してほしい。

(3)職員が、職場で高圧的に、工事件名を告げたうえ、その発注時期を教えてほしいと述べた。知らせないと怖いと感じた。