24日、10時から市の入札事件再発防止調査委員会を傍聴、午後3時からは冨士設備工業の富沢被告の第一回公判を傍聴に東京地裁八王子支部へ、というダブルフェッダー。

まず、市の調査委員会。やっと、弁護士の専門委員チーム(5人)の担当している市職員(一部退職者を含む)への実態調査の中間報告がおこなわれました。その報告の要旨は以下のとおり。

【アンケート実態調査】 

現職の市職員と過去10年間に退職した管理職計1429人を対象に郵送による無記名方式(匿名)で実施し、現職の係長職以上が提出は義務付け、それ以外は任意。480人から回答があった。


《働きかけの実態》


●職務に関して働きかけを受けたか 受けた 23.1%(回答した455人中105人が受けた)



●働きかけはどのような立場の人からか


◆市議から 86人 78.2%(ダントツでトップ)
◆業者及び業界団体から 40人 36.4%
◆職員及び元職員 25人 22.7%
◆国会・都議会議員(秘書含む)14人 12.7%
◆その他 3人 2.7%


●働きかけの内容は


◆入札・契約に関すること 32人 29.4%(一番多い)
◆工事の発注・執行に関すること 20人 18.4%
と入札、契約、工事関係が多い


●働きかけにより、便宜を図ったか  ある28人 25.9%(4分の1が便宜を図る)

ヒアリング実態調査】 


係長以上の幹部職員や関係部署の職員の計52人に対して面接方式でおこなわれた。


●市議からの働きかけがあった 23件 (課長等、議員控室への呼出など)


●業者からの働きかけがあった 20件 (職場に来る 飲食の誘い 旅行など)

《改善提案、意見など》


●倫理確保等 24件
●職場間指導、情報交換 11件
電子入札制度導入 15件
●入札の市外業者拡大 23件(これがトップということに注目)
●業者選定委員会の活性化、契約課集中排除など 18件
●議員、業者の圧力排除 8件
●第三者監視機関の設定 9件
●人事の適正、派閥排除等 8件


アンケート調査は書面だけのためか、その回答や意見がかなりフランクで積極的、批判的なものもある一方で、ヒアリング調査は面接聴取のためか回答が遠慮がち、消極的で実際を語っているかどうか弱冠の疑問があると、調査をおこなった弁護士グループの専門委員からの指摘がありました。特にヒアリング調査では、担当部署によっては働きかけは恒常的におこなわれていたことが指摘され、模範回答や「思い出せません」などの回答もあり、弁護士の専門委員が何かあると思ってもそれ以上突っ込めなかったとのことでした。

市議から電話があり、議員控室に呼ばれていってみると、その議員と業者が一緒に待っていたというケースもあり、まさに、白昼堂々と言うか、これでは『白い巨塔』ならぬ『黒い議会棟』と言っても過言ではありません。更なる詳細な調査が必要であると感じました。


冨士設備工業の富沢被告は5件の工事で競売入札妨害と贈賄罪(岡部被告に345万円のワイロ)で問われていますが、談合は業界にとっては必要悪でなくならないと何度も述べ、「本当の入札だと利益は出ないから談合はなくならない」「粗悪工事が続く」と証言。検察官や裁判長に民間ではたたき合いでやっていて、公共ではできないとはどういうことかと問われると、「民間は信用につながるから」と答えました。それは官の工事でも同じではないかと詰められと、それでも民間ではたたき合いでできるが公共ではできないと繰り返し、その論理は支離滅裂。「あなたは業者の利益だけを言っている」「談合を認めざるを得ないとしか聞こえない」と諭されました。

自分はもう談合はしないと言うものの、談合を必要悪とし、開き直る発言は本当に反省しているのかと思わざるを得ませんでした。検察は常習犯的に談合がおこなわれてきたことを論告で指摘。「公金の相当な額を不当に取得し、市民が被った被害は大きい」「345万円ワイロを渡していた」と談合に深く関与した罪は重いとして、懲役1年半を求刑しました。判決は3月19日午前11時からの次回公判で言い渡されます。