11日、今日は休日なので朝宣もお休み、ゆっくり起床。テレビをつけると『スーパーモーニング』という番組で、ニュースキャスターの鳥越俊太郎さんがイラクを取材して来た特集をやっていたのでついつい見入ってしまう。寝ぼけ眼、しかも途中からだったので、正確でないところもあるかもしれませんが、見ていて印象に残った事を書きます。

鳥越さんは「病院の臭いがすごい。終戦後の日本の汲み取り便所の100倍の臭い」とイラクの病院の現状を報告。病院のメンテナンスなどやその後のことを考えると、本当に自衛隊が役に立つのかという疑問を呈していました。そして、

①米軍とその協力者への「テロ」
②部族間の主導権争い(宗教上の問題を含めて)
③治安の悪化

というイラクの3つの危険を指摘。多くの日本のマスコミがふりまく、自衛隊到着を現地サマワの人々が歓迎しているシーンとは裏腹に自衛隊に迫る危険を危惧。

危険を承知で、日本の2人の外交官が殺害されたところを通って、バクダットからテイクリートまで行き、フセイン元大統領が拘束されたとされる例の穴に鳥越さんが入るというシーンをはさんで、まだ、サダム・フセインの時の方が、仕事もあったし、自由は制限されていたけど、治安がよかったという現地の人々へのインタビューが続く、現在イラクでは子どもをはじめとして誘拐が横行していることも報告され、イラクの小さいお子さんのお母さんが学校帰りに誘拐されないか心配と話していました。

この特集で最も印象的だったのは、米軍の占領を監視する新聞を出している女性が(自分も甥っ子が誘拐され、身代金を要求されているという)、「イラクアメリカに誘拐されてしまった。サダム(フセイン)は自分たちの手で倒すべきだった」と語った言葉でした(誘拐された甥っ子は無事戻った事が放送中に伝えられていました)。

この特集が終わると、「牛丼問題」のニュースにきりかわり、牛丼が食えなくなると大騒ぎ、国産の安い牛肉を買って自分でつくって食べればいいのにと思いましたが(といっても私もたまに吉○屋とか松○で牛丼は食べますけど)、日本は幸せかそれとも不幸なのか、と考えさせられます。

アメリカからすれば、独裁者フセインを倒し、アメリカ流の民主主義を打ち立てたいということなのでしょうが、そのために、大量破壊兵器の備蓄をでっちあげて侵略戦争を仕掛け、イラクの民間人を多数殺害し、劣化ウラン弾の雨を降らせイラクの人々と国土を汚染し、イラクの人々に多大な犠牲と困難を強いていることはあきらか。その大儀のない戦争に賛成してしまい、米軍の占領のために自衛隊の派遣(=派兵)を許してしまった国民として恥ずかしいというか、心が痛みます。芸能ネタが悪いとは言いませんが、こういう番組・特集をもっとやってほしいと思いました。

鳥越さんは、コピーライターの糸井重里さんが主催している『ほぼ日刊イトイ新聞』というサイトで『3分間で、最近のニュースを知る。鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」』(鳥越さんの故郷の筑後弁で「あのねえ、これですよ!」という日常会話の軽い言い方だそうです)というコーナーでもイラクでの取材について少し書かれていますのでご関心がある方はご覧ください。アドレスは以下のとおりです。
 http://www.1101.com/torigoe/

この「あのくさ こればい!」は、私にとって、とても参考・勉強になるので結構愛読しています。