29日は、西国立駅川崎方面側で朝の宣伝の後、水道工事入札談合・汚職事件で逮捕された油谷設備工業の山田被告の初公判を傍聴に東京地検八王子支部へ。

この事件の舞台となったのは、2002年9月25日入札の若葉町2丁目地内給水管布設替工事。概要は以下のとおり。

若葉町2丁目地内給水管布設替工事 指名競争入札
予定価格 17,325,000円(税込み)  落札価格 16,590,000円(税込み)
最低制限価格 11,550,000円(税込み)

入札者        入札価格(税抜き)
八重洲工業    16,360,000円
②ハラシマ     16,400,000円
③皆木設備     16,330,000円
④富士設備工業   16,350,000円
⑤油谷設備工業   15,800,000円 落札  落札率95.76%
⑥高橋設備工業?   16,300,000円 (本来落札予定)
⑦白井プラミング  16,400,000円
⑧柴田工業     16,420,000円

皆木被告を中心にあらかじめ落札者を決める協定を結んで、上記の8業者を指名するよう岡部被告(元砂川支所長)に依頼。岡部被告が大野木被告(前契約課長)に依頼し、業者を不正指名。本来は、高橋設備工業が落札予定で、資金繰りに困っていた山田被告が皆木被告を介して高橋設備に先に落札させてくれないかと頼むが断られて、結局、談合やぶりをして油谷設備工業が落札。山田被告は談合業者たちに糾弾され、2度としないと謝罪し、不正指名を依頼した岡部被告に50万円を渡した(贈賄)とのこと。

山田被告は、父の代から水道工事業界の談合組織「水交会」(18社加盟)の会員で、1993年頃から被告本人が参加し、談合にくみしてきたこと。談合をすると落札率が90%以上になり、しなければ、物件によっても違うが、最低制限価格(約66.6%)に近い数字が通常の落札であると弁護士の質問に答えて証言。談合が行われなければ、2割から3割は公共工事は安くなることを示しました。また、長い間の習慣で(談合が)悪いという意識が薄れ、通常の競争よりも多いお金が手にできるために会社も乱脈経営になり、8000万円の負債を抱え、会社も倒産、家も銀行の抵当に入っており…。さらに、談合から抜けると「トラブル」になるのでできなかったとのこと。談合の甘い汁を吸った挙句、談合に依存した会社体質により、その中から抜け出れず、われわれ市民の血税をむさぼり、会社も家庭も破綻。談合は健全な会社の経営も奪うことが明らかにされました。つまり、経営努力によって、良いものを安く提供することを奪い、著しく会社の競争力を低下させるのです。談合を許さない制度への改革を怠ってきた市側の責任を痛感しました。もちろん、談合する者、それに協力する者が1番悪いということは言うまでもないのですが…。立川市にはびこる談合・不正の闇を明らかにし、すべての膿を出し切らなければと、決意をあらたにしました。

山田被告には、検察側から懲役1年が求刑されました。次回2月19日に判決が言い渡される予定(午後3時から305号法廷)。