19日、午後1時30分から東京地方裁判所八王子支部でおこなわれた立川市の水道工事入札談合・汚職事件の裁判の傍聴へ。今日は競売入札妨害罪に問われた元砂川支所長岡部昭凱(あっせん収賄罪でも起訴)と前契約課長大野木隆両被告の初公判。305号の法廷で行われた。記者8人と他14人(市関係3人、自民市議2人)の22人ぐらいが傍聴する中、岡部・大野木被告が入廷。大野木前契約課長は大分やつれた様子。談合の仕切り役といわれる元市議の叔父と似て小柄である岡部元砂川支所長は大野木前課長より血色もよく元気そうに見えた。

両被告は2件の競売入札妨害事件の罪状認否で、起訴事実について「その通り間違いありません」と認めたが、大野木被告の弁護人は、大野木被告は談合などの不正は予見していたが、岡部被告の指示されるがままに指名業者を選定しただけで、談合の共謀には加わっていなかったことを強調。なぜ協力したかは公判の中で明らかにするとし、情状酌量を求めた。

談合の実態については、1975(昭和50)年から「水交会」という業界団体が組織的な談合を繰り返し、その後「水交会」から「立川設備研究会」と名前を変えてからも、市内の土木建設業者も選定される混合方式の入札に際しては、立川市建設業協会と談合し、土木業者と水道業者が交互に落札できるようにしていた。岡部被告は1996(平成8)年から水道設備会社「皆木設備」の社長の皆木被告などと知り合い、競輪や韓国旅行などで親交を深めて、「予定価格などを聞き出しては教えていた?」(ここは検察官が非常に早口なために不確か)。岡部被告は皆木被告などの業者が和食ファミリーレストランの西立川店や福生市の中華レストランでおこなった談合の会合に出席。談合協議の結果をメモし、大野木被告に渡し、特定業者を指名するよう依頼したとのことでした。

とにかく、検察官の起訴理由の説明は早口で声も小さいので聞き取りにくかったですが、およそ30分ぐらいで終わり、次回の2月9日の午前11時からという日程を決め、両被告とも追起訴があることが伝えられ閉廷。少しあっけない感じでしたが、長い間、立川市では談合により市民の貴重な税金が貪られてきたのだなあと思うとともに、根深い組織的談合の実態が存在し、さらに大きな談合疑惑がはびこっているのではと痛感しました。1975年からというと1968年生まれの私が8歳の時からということ。立川市の談合の徹底究明と追及が必要です。