政務活動費について改めて考える


5月の半ばごろから、6月議会が始まります。東京都議会選挙があるために、立川市議会は本来よりも大分早い開催になります。

さて、下記の読売新聞の記事に、

 「東京都の立川市議会は2月末、予算特別委員会で、名称変更と合わせて支給額を議員1人当たり「年額60万円」と従来の2・5倍に引き上げる条例案が賛成多数で可決された。「市民の理解が得られない」という反対意見もあったが、「市議の役目を果たす上で増額は必要」として、22市議中16人が賛成にまわった。」

とあるように、先の3月議会では、われわれ野党の反対を押し切って、いきなり、政務活動費(前・市政調査研究費)を2.5倍に引き上げる条例案が、自民・公明・民主などの賛成多数で可決されてしまいました。議員一人当たり年額24万円から60万円という2.5倍の増額というのは、全国的に見ても一番の増加率になっていると思われます。ちなみに東京都の26市では、立川市以外に増額した市議会はありません。

便乗値上げ(増額)ということで、みのもんたさんの「朝ズバ」などで報道され、全国的なニュースになってしまいました。

今回は、新聞記事により、その経過をおさらいし、整理をしておきます。

(記事の中には与党議員たちの「開き直り!?」のコメントもありますのでご注目を!!)

今後も使途基準やその使われ方の「監視」、「情報公開・公表」のためにも記しておきます。


議員活動費、名称変わり使途拡大…増額も続々


 高額な備品購入や、テーマパークの視察、果てはポルノ誌の購読費など、不適切な支出が問題となった地方議員の政務調査費
 批判を受けて全国で減額の動きが進んでいたが、3月から名称が「政務活動費」に変更され、使途も一部拡大された。昨年の地方自治法改正に伴う措置だが、中にはこれを機に、増額に転じる地方議会もあり、議員の“第2の報酬”が再び拡大される懸念も広がっている。


 ◆地方からの要望
 地方自治法の改正案は昨年8月、参院で可決し成立した。地方議会でも「通年開会」を認めることなどが柱だったが、民主、自民などの提案で、政務調査費の名称を変更。使途を一部で拡大する項目が盛り込まれた。政府案にはなかった項目で、地方議員からの要望を受けて修正されたという。
 同法改正を受けて、各地の地方議会では、名称変更などを盛り込む条例改正が提案された。しかし、中には名称変更を機に増額を決めたケースもあり、読売新聞が今月行った調査では、少なくとも13都県の15地方議会で、増額を決めたか、増額を検討していることがわかった。


 ◆「陳情代」に充当
 東京都の立川市議会は2月末、予算特別委員会で、名称変更と合わせて支給額を議員1人当たり「年額60万円」と従来の2・5倍に引き上げる条例案が賛成多数で可決された。「市民の理解が得られない」という反対意見もあったが、「市議の役目を果たす上で増額は必要」として、22市議中16人が賛成にまわった。
 埼玉県の久喜市議会も4月から、月額1万円アップし「年額36万円」を全会一致で可決。昨年から議論を続け、「法改正されたのは、もっと議員活動を活発にしてもらおうという趣旨」と受け止め、増額を決めたという。
 愛知県の豊田市議会は、「年額53万円」で15万円増額した。国会議員や中央省庁への陳情などの交通費や、ホームページ維持管理費などに充てる見通しという。市議会事務局は「これまでは全国の中核市で最も低かった。増額してもまだ最低額」と主張する。


 ◆1人1回5000円
 「月額16万円」に据え置いたものの、使途を拡大するのは東京都の杉並区議会。これまで禁止していた酒食を伴う会合について、「1人1回5000円」を限度に認めることにした。地域の声を聞くため、地域団体などが開催する新年会、忘年会などの参加費を想定しているという。


(2013年3月9日 読売新聞)
※資料の図は省略

立川市議会:特別委、政治活動費増額を可決 使途制限の修正否決 /東京


 立川市議会は27日、予算特別委員会を開き、市議に支給されてきた政務調査費地方自治法改正で調査研究以外にも使える「政務活動費」に改められるのに伴い、市が提案した増額を含む条例改正案について審査した。一部の市議が、増額せず、使途を制限すべきだとする修正案を提出したが否決され、条例案は原案通り可決された。


 特別委は議長ら一部の議員を除く22人で審査した。修正案は市民の党、五十嵐健市議ら6人が提出。五十嵐市議は、政務調査費の名称を政務活動費とすることについては賛成した上で「厳しい市の財政状況や、厳しさを増す市民生活を考えると、市議だけ特別扱いされるのはおかしい。飲食などには使えぬよう使途基準も明確化すべきだ」と提案理由を説明した。
 

 これに対し、たちかわ自民党の清水孝治市議は「議会活動が活発化することこそ市民の利益に直結する。使途の透明性は可決後に議論すべきだ」と主張。起立による採決で、提案者6人を除く全員が賛成し、原案通り可決された。3月15日の市議会本会議で委員会審査に基づく採決が行われる。【平林由梨】


毎日新聞 2013年02月28日 多摩版)

※太字は五十嵐のコメント

政務活動費増額を可決 立川市会特別委


 立川市議会予算特別委員会は27日、4月から市議に支給する「政務活動費」を従来の2・5倍に当たる1人月額5万円に増額することを盛り込んだ新年度一般会計予算案と、支給に関する交付条例案を賛成多数で可決した。委員長以下22人の市議が出席したが、反対したのは6人の市議だった。


 この市議たちは、条例案の採決に先立ち、「厳しい経済情勢の中、市民の理解が得られない」「市民不在の議論に納得できない」などとして、現行の月額2万円に据え置くことや、使途を制限する条文を盛り込んだ修正案を提出したが、否決された。


 中島光男・委員長は「市議の役目を果たす上で増額は必要で額も妥当だ。反対や不必要な場合は、残額を返還すればよい」と話す。


(2013年2月28日 読売新聞 多摩版)

立川市:政調費引き上げ検討 年1008万円増、議会審議へ /東京


 立川市が、市議の調査研究活動に充てる政務調査費について、1人当たり月額2万円から5万円に引き上げる条例改正案を14日開会の定例市議会に提案することが分かった。昨年8月の地方自治法改正で、調査研究以外にも使える「政務活動費」に改められたことに伴う増額と市側は説明するが、従来は禁止だった飲食を伴う意見交換会にも使えるようになる可能性がある。


 市側が6日の市議会各会派代表者会議で明らかにした。4月から実施するとしている。市議会関係者によると、多摩地域の政調費は八王子市と町田市が月額6万円で最高。他に増額を検討している市はないという。


 可決されれば全28市議分で年間1008万円の増額。ある市議は「ごみ収集有料化などで負担をお願いしている最中。パブリックコメントなどで市民の意見を問うべきだ」と指摘する。【平林由梨】


毎日新聞 2013年02月08日 多摩版)

立川市:政務費の飲食支出「議会に説明責任」−−副市長 /東京


 地方議員に支給される政務調査費地方自治法改正で調査研究以外にも使える「政務活動費」に改められるのに伴い、立川市が増額を含む条例改正案を提案することについて、大霜俊夫副市長は8日、「(従来は禁止だった)飲食を伴う会議に支出するのがいいのか悪いのか説明責任は議会にある」と述べ、市が使い道を制約しない方針を明らかにした。


 清水庄平市長の定例記者会見で説明した。14日から始まる議会の対応が焦点になる。


 立川市の現行の条例規則では、茶菓子代を除く飲食代への支出を認めていない。しかし、1人当たり月額で3万円増えて5万円となる改正案に明確な規定はなくなった。


 増額理由について大霜副市長は、議員報酬を検討する審議会から「他自治体と比較して少額」との意見が付帯的にあったことを挙げた。【平林由梨】


毎日新聞 2013年02月09日 多摩版)

立川市 政務活動費で増額案


 地方自治法改正で、議員の政務調査費は政務活動費に名称を変え、使途も広がる。立川市は新年度から、現状の月額二万円から五万円に引き上げる方針を示した。市議一人あたり年間二十四万円から六十万円へと三十六万円増える。市議二十八人分で千八万円の増額となり「市の財政状況を無視している」と、批判の声が出ている。 (北爪三記)


 政務活動費の交付目的は「議員の調査研究」だった。法改正でこれに「その他の活動」も加わった。経費の範囲は条例で定める。


 立川市が定例市議会に提出する議会市政調査研究費交付条例改正案は、政務活動費を月額五万円とした。経費の範囲を調査研究費、研修費、広報費、広聴費、要請・陳情活動費、会議費、資料作成費、資料購入費、人件費、事務費としている。


 政務調査費について、市特別職報酬等審議会は昨年十一月の答申で「多摩二十六市、類似団体、東京二十三区と比較すると少額」と付言した。町田市(六万円)、八王子市(六万円)、日野市(四万五千円)、府中市(四万五千円)、武蔵野市(四万円)−と、周辺市の金額は高い。こうしたことから、立川市は政務活動費を引き上げたと説明している。


 これに対し、一部の市議は「家庭ごみの有料化や国民健康保険料値上げなど市民に負担を強いる一方で、市議会議員だけアップするのはおかしい」と指摘している。


東京新聞 2013年2月9日 多摩版)

政務活動費、2・5倍支給 立川4月から



新年度予算案を発表する清水市

 立川市は8日、4月から市議に支給する「政務活動費」を、従来の2・5倍に当たる1人月額5万円に増額することを決め、全市議28人分の1680万円を同日発表した新年度当初予算案に計上した。第2の報酬と批判を受けた「政務調査費」と呼ばれていたものだが、地方自治法の改正に伴い名称を変更。使途を規定した条例から、改正により飲食に使用することを禁じた文章は削除され、市議にとって使い勝手のいい経費に生まれ変わった。このご時世、増額に市民の理解が得られるのだろうか。


 「法律改正で使途が広がる上、他市に比べて額が少ないとの意見が市の審議会の場でもあった」。予算案発表後、政務活動費の質疑が行われ、清水庄平市長に代わって大霜俊夫・副市長が、増額の理由を述べた。


 多摩26市の調査費は月額2万円前後が主流で、最高は八王子市と町田市の同6万円。人口がほぼ同じ規模の日野市では月額4万5000円だという。


 法律の改正で、議員活動における「調査研究」に限定された使途が広がり、便乗して支給額も増額。市議はどう受け止めているのか。与党会派の公明党幹事長の伊藤幸秀市議は「自分の一存では言えない。口頭で答えるような事項ではない」と、歯切れが悪かった。


 一方、市民の党」の五十嵐健市議は「金をかければいい市政ができるのか。少ない調査費でも、工夫や知恵を絞る余地はいくらでもある。議会内で十分に論議を尽くしたと言えず、これでは市民には市議たちがいい思いをしていると受け止められかねない」と増額には反対の意見を述べた。


 立川市議会以外で増額の動きはないが、他の自治体のある市議は「本音では増やしてほしいが、市の財政状況を考えると、現時点では実施できる雰囲気にはない」と話していた。


 立川市の新年度当初予算案は一般会計が前年度比3・7%増の695億7800万円。特別会計を含む総額は同5・2%増の1389億6100万円となった。


(2013年2月9日 読売新聞 多摩版)

※太字は五十嵐のコメント