『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』 (原発にかかわる日本映画 フィクション編 その2)


この映画は、1985年公開だから、チェルノブイリ原発事故以前の作品。私は、大学生の時(多分1989年ごろ)、その題名に惹かれて、レンタルビデオ屋で借りて観ました。


キネマ旬報社」データベースには、

「『時代屋の女房』の森崎東監督が描く群像ドラマ。旅回りのヌードダンサー、原子力発電所を転々と渡り歩く“原発ジプシー”、娼婦、ヤクザ、そして悪徳刑事にダメ教師。これらハミダシ人間たちによって巻き起こる面白くも哀しい人間ドラマ」

と書かれているようですが、この映画は、当時もタブーだった原発問題、原発ジプシーとそれを手配・監視するヤクザ、それに「ジャパゆきさん」などの社会問題も絡んでいくというアウトロー的“ドタバタ”人間群像ドラマです。


倍賞美津子が演じる旅回りのストリッパーのバーバラと故原田芳雄が演じる原発を転々と渡り歩く原発ジプシーの宮里との腐れ縁の関係を軸に、修学旅行積立金強奪騒動に巻き込まれたことからバーバラと行動をともにすることになった、平田満が演じるダメ教師の野呂、泉谷しげるが演じる原発作業中に廃液漏れで被曝し、事故隠しのために命を狙われる羽目になった原発ジプシーの安次やその恋人でバーバラの昔なじみである娼婦のアイコ、さらにジャパゆきさんのマリアなどの登場人物が絡み合っていきます。


コメディータッチなところもありますが、その背景には、いろいろな社会問題が盛り込まれており、知らず知らずのうちに観る者を釘付けにして行くんですよね。不思議と…。


この映画を観終わると、きっと、劇中に出てくる「あふれる情熱、みなぎる若さ、協同一致団結、ファイト!」という言葉にじ〜んときていることでしょう。


この映画は、当時ビデオ化された後、DVD化はされず、廃盤状態だったんですが、福島第一原発の大事故・大惨事から少し経った2012年1月にDVDが発売になったようです。
(大事故・大惨事が起きてやっと「圧力」が少しだけなくなったのでしょう。)


つい最近知りましたが、買うか、借りるかして、もう一度見たい作品です。


この作品もゴールデンウィークにお勧めのDVDです。