2013年度立川市一般会計予算への反対討論


前略 市民の皆様


昨日(2月27日)立川市議会予算特別委員会が終わりました。


◆2013年度立川市一般会計予算

立川市廃棄物処理及び再利用促進条例の一部を改正する条例(家庭ごみを有料化する「改正」)

◆2013年度立川市特別会計国民健康保険事業予算

立川市国民健康保険条例の一部を改正する条例(国民健康保険料の役1億3000円の値上げする「改正」)

立川市議会市政調査研究費交付条例の一部を改正する条例(市議会議員に交付されている政務調査費を2.5倍の上げ、調査研究以外に使途を広げる「改正」=改悪)


これらの5つの議案は、公明党、民主・市民フォーラム(=民主党)、自民党などの賛成多数で可決してしまいました。

残念ながら、家庭ごみの有料化や国民健康保険料の値上げなどの市民への負担増や市議会議員だけを優遇する政務活動費(政務調査費=市政調査研究費)の2.5倍のアップを食い止めることができませんでした。申し訳ありません。私の力不足、非力さをお詫びいたします。


                                           草々


以下が、私がおこなった2013年度立川市一般会計予算への反対討論です。この予算特別委員会の模様などは、随時、お知らせしていきます。


2013年度立川市一般会計予算への反対討論


私は、議案第1号 2013年度立川市一般会計予算に反対の立場で討論をいたします。


 格差社会の拡大、貧困層の増大という日本の全国的な社会情勢の中で、依然として景気の低迷と雇用情勢の厳しさが続いています。


 立川市でも、立川市民1人当たりの給与収入額が、2011年度、2012年度は微増しているものの、2009年度と比べて2012年度では約14万4,000円も減っており、2000年度と比べると約40万7,000円も減少しています。生活保護世帯も2011年度の3,690世帯5055人からさらにふえて、2012年度は3,773世帯5,168人に増加し、生活保護率も28.8パーミルと、東京26市の中でも依然として一番高いという状況が続いており、新年度もさらに増加していくことが予想されています。


 立川市民の生活がより一層苦しくなっていることがうかがえますが、さらに、2012年度以降、サラリーマン世帯には、子ども手当の減額、住民税の年少扶養控除の廃止、年金保険料の引き上げ、復興増税増税ラッシュが続き、年金世帯にも、年金の削減や後期高齢者介護保険料の引き上げなどの負担増が続いていますし、その後に消費税増税も予定されています。


 ほんの一部の大金持ちを除いては、給料は下がり続け、そこに増税や公共料金の値上げが追い打ちをかけるという、市民を取り巻く情勢の中で、立川市の任務は拡大する格差を是正し貧困に歯どめをかけて、貧困の連鎖を断ち切るために可能な限りのセーフティネットを張ることであり、本当に無駄な支出を削ったり、不要不急の事業を凍結して、地方自治体から社会保障の再構築をしていくことであります。


 2013年度、新年度は、生活支援と雇用・労働・就労支援の強化が必要であるとともに、生活困窮者などの貧困層を社会的に排除しないという社会的包摂の政策がますます必要となっています。そうした意味においては、給料が増えず、増税などの負担増が市民生活を直撃している中での、約2億7000万円の新たな負担を強いる「家庭ごみの有料化」や今年度の約4億円の値上げに続き、2年連続となる「国民健康保険料の約1億3000万円の値上げ」はすべきではありません。


(家庭ごみの有料化について)
 特に、ごみ減量のためには、家庭ごみの有料化より、まず徹底した分別によるごみ減量化と燃やせるごみの3割を占める生ごみのHDM菌による減容化や堆肥化の方式の導入、事業系ごみのさらなる削減と小規模集合住宅への分別指導の徹底こそを優先すべきです。家庭ごみの有料化は、百歩譲ったとしても、あらゆるごみ減量策をやり尽くして、ごみの減量の促進がはかられない場合で、しかも景気が良くなって、市民生活が好転している中でおこなうべき問題ではないでしょうか。少なくとも、先の市長選挙で市長は家庭ごみの有料化についてはしっかりと公約したものではなく、争点にもならなかったこともありますので、次期市議会議員選挙で市民の民意を把握した上で判断すべきだったでしょう。


(政務活動費の増額について)
 そういった市民に大きな負担増を強いる予算になっている一方で、市議会議員には「政務活動費」の2.5倍の大増額をし、年間1008万円の大盤振る舞いをすることは納得できるものでなく、市民の理解を得られるものとは到底思いません。


(保育園の民営化について)
 また、かねてから拙速で安易な民営化であるとして反対してきた市立西砂保育園の民営化に続き、その民営化のモニタリング期間も十分置かずに、見影橋保育園民営化に邁進していることや新年度に3園目以降の保育園の民営化に突き進もうとしている態度も承服しかねます。見影橋保育園民営化については、西砂保育園の民営化のとき以上に丁寧な対応をして、保護者の意見を最大限聞いていくことを求めます。


(PEI方式の学校給食共同調理場について)
 さらに、土壌汚染の詳細な調査をせず、そこで働く人たちの給与水準や労働管理の整備が不十分なままということで賛成してこなかったPFI方式による新学校給食共同調理場整備運営事業が、新年から本格的にスタートします。その運営にあたっては、子どもたちの命を守り、育む学校給食法や食育基本法が求めている内容に応え、そこで働く人たちがワーキングプアというような不安定雇用にならないように対応することを求めます。


(地区図書館への指定管理者制度の導入について)
 さらにまた、現時点で、地区図書館すべてに指定管理者制度を導入することには反対です。少なくとも地区図書館の1館はアンテナ館として直営で残すべきと主張しましたが、その主張が受け入れられない中での今回の地区図書館・3館への指定管理者制度の拡大は認められません。今後については、図書館行政の専門家などが入った第3者による外部委員会によるモニタリングをおこなうようにするとともに、その場で働く人たちの人件費がしっかりと確保されるように望みます。


(その他の認められない予算について)
 その他、市長、副市長、教育長などの特別職の給与の削減をやめてしまったこと、安全確認が不十分なエコセメント化事業への支出、立川市地域防災計画の修正に際して原子力災害への充実やアレルギーのある子どもたちの対策が十分になされず、ゆえに新年度予算にも反映されていないことなどは、認めることはできません。さらに、立川駅歩道立体化計画の見直しも一向になされないことについても認めることはできません。


(新年度予算で評価できるものについて)
 市南部地域への病児保育室の開設、小学校や中学校の非構造部材の耐震調査、地域福祉コーディネーターの1名の増員、複線型人事制度の検討、生ごみの分別・資源化モデル事業、家庭ごみ有料化以外のごみ減量の取り組み、雇用・就労支援対策の強化のための地域活性化推進員の配置、介護サービス利用料負担軽減事業の充実、家具転倒防止器具の支給事業、ジェネリック差額通知の発送の継続、施設管理業務点検調査の継続、市の公共施設の電力供給見直しを堅持し、東京電力から特定規模電気事業者(PPS)に切りかえたことを継続していることや、増額がありませんでしたが住宅用太陽エネルギー利用機器設置費補助事業を継続していることなど、評価できるものも多々ありました。


 しかし、総合的に見ていくと、2013年度一般会計予算にはとても賛成はできません。市民の生活を守り、希望を持って生活できる立川をつくるために、高齢者、障がい者、子供に優しい温かみのある施策をとること。孤立死孤独死の防止対策をしっかりとること。でき得る限りのセーフティネットを張り、格差を是正し、貧困をなくしていけるような社会的包摂政策をとり、公平な社会を目指していただけるように要望します。


(談合事件から10年目を向える入札・契約制度改革について)
 最後に、新年度は、立川市の水道工事をめぐる談合事件から10年目の節目の年にあたります。事件後、着々と取り組まれてきた入札改革の成果は、落札率の低下による影響額として、2011年度決算で、約6億8,000万円の経費削減につながり、行財政改革の取り組みの中では2004年度から2011年度までの8年連続しての、一番の削減効果となりました。その成果は、8年間で約48億円もの経費削減になって、立川市の財政に大きく寄与しています。このような入札改革の推進をこれからも堅持していくこととともに、市内案件の、ある業種の工事で不自然な高値落札が横行している状況について、その業種の工事の一部を都内案件に広げるなど、発注方法に工夫と見直しを加えた毅然たる対策をとることを切望いたします。


脱原発政策について)
 また、原子力災害を含めた防災・減災対策の見直しや、子どもたちのための放射線防護対策の更なる充実や、脱原発を目指しての自然エネルギーへのシフトを求めるとともに、ずさんな安全対策しか持たず、原発の大事故を引き起こし、立川市の市政運営に大きな負担をもたらした東京電力に対して、市職員の人件費も含めた、きちんとした賠償請求を継続して行うことを要望いたします。  


以上で反対討論を終わります。

【追記】


2013年度立川市一般会計予算に対して、共産党さんとみどり立川の大沢議員と一緒に修正案を出しましたが、与党の議員たちは、その修正案に質疑も討論もせずに反対して否決しました。

(修正案に対して、反対するなら反対討論くらいしてもらいたいものですが、いつもダンマリ…です。)


本案である2013年度立川市一般会計予算の賛否は以下のとおりです。

【賛成】

公明党、民主・市民フォーラム(民主党)、自民党、安進会

【反対】

共産党、みどり立川、生活者ネットワーク、市民の党(五十嵐)