2011年度 立川市特別会計競輪事業歳入歳出決算への賛成討論


立川競輪の2011年度の車券売上は、173億3482万1700円(グランプリも日本選手権もなし)で史上最低。


立川競輪では、景気の低迷・レジャーの多様化・ファンの高齢化による先細りで売り上げが激減している中、立川競輪発祥で毎年立川で開催していた「競輪グランプリ」が平塚と京王閣競輪との持ち回りになり、3年に一度しか開催できなくなってから、さらに売り上げが減ってしまっています。グレードの低いレースで構成される普通開催は通常は赤字。それをグランプリや日本選手権などのグレードの高い売れるレースで補っているのですが、それも3年に一回しか開催できないということで苦境に陥り、2005年度から2011年度までの競輪事業会計からの一般会計への繰出金は7年連続して1000万円という状況が続き、2012年度予算でも1000万円しか繰り出せないことになっています。


そもそも、立川競輪の車券売上のピークは1992年度で、907億2645万5100円、競輪事業会計からの一般会計への繰出金のピークは1989年度で、78億1482万4000円もありました。
私が初当選させてもらった1998年度でも車券売上が573億4629万9500円で、一般会計への繰出金が44億5000円もあったことを考えると、車券売上は想定外の大幅な落ち込みです。


そうした中、立川市では、競輪事業で、


(1)弾力的な人員配置などによる人件費の削減、
(2)入札制度の改革による仕様書見直しや複数年契約の実施などによる委託費の削減、
(3)電力自由化による契約の見直し(東京電力からPPSに契約変更)、
(4)併売、場間場外などの販売経路の拡充やKドリームスの創設


などの経営努力や経営改革を着実に進めて、損益分岐点を引き下げ、普通開催の赤字幅を大幅に圧縮してきました。


こういった公営競技事業部の努力を考慮して、2011年度 立川市特別会計競輪事業歳入歳出決算には賛成しました。


以下がその賛成討論です。
(全会一致で可決)


※ちなみに、普通開催1日当たりの売り上げの損益分岐点は、2010年度時点で、2億400万円。それでも普通開催の1日当たりの売り上げは約1億9000万円。つまり、普通開催の1日当たりの赤字は約1400万円。2010年度の普通開催は48日ですから、その赤字額は約6億7200万円。2010年度には立川で競輪グランプリを開催しましたので、その売り上げで、普通開催の赤字を穴埋めしたことになります。

しかし、2011年度はグランプリや日本選手権は開催されていませんので、より厳しくなっています。


2011年度 立川市特別会計競輪事業歳入歳出決算の認定への賛成討論


私は、議案第 72号、2011年度立川市特別会計競輪事業歳入歳出決算の認定に賛成の立場で討論をいたします。


 競輪事業は、全国的に見た場合、車券発売収入は1993年度の約1兆9,553億円がピークで減少が続き、2011年度には約6229億円となり、その3分の1に迫ろうとしています。立川市も例外ではなく、2006年度から2011年度まで、一般会計に1,000万円しか繰り出せず、立川競輪本場での売り上げはピーク時の1992年度の907億2645万5100円から2011年度の173億3482万1700円と大幅に落ち込み、まさに想定外の状況が続いて来ています。


 しかし、2005年3月に策定した立川競輪経営改善戦略などに基づき、弾力的な人員配置などによる人件費の削減、入札制度改革などによる仕様書見直しや複数年契約の実施などによる委託費の削減や電力自由化による契約の見直し、併売、場間場外などの販売経路の拡充やKドリームスの創設などの経営努力や経営改革を着実に進めて、損益分岐点を引き下げ、普通開催の赤字幅を圧縮してきました。


 それらの成果は2005年度から2011年度までで約12億円にもなり、経費削減につながっています。従事員の皆さんのご理解・御協力に感謝するとともに、事業部の努力は大きく評価したいというふうに思います。


 また、競輪事業財政調整基金は2001年度末に約4万7,000円の残高しかないという状況で、最低限の水準になっていましたが、JKA交付金(=旧日本自転車振興会交付金)の1号、2号交付金の3分の1についての還付金制度などを利用して、競輪事業財政調整基金の2011年度末の残高は約15億2,600万円になり、還付制度のために2006年度から新たにつくった競輪事業施設等整備基金は、2011年度末残高約38億7500万円と大きく改善が図られました。


 私は、競輪依存体質からの脱却を求めて、以前は予算や決算の認定には反対してきましたが、事業部の経営努力が大きく評価できることから、2008年度予算から賛成してきました。2011年度の決算においても事業部の経営努力が十分に評価できることから決算の認定について賛成を致します。


 しかし、他の競輪施行者のように一般会計から赤字補てんという状況がないように、事業部が取り組んできた経営改革を継続しなければなりません。これ以上従事員の皆さんの労働条件が低下しないように努め、競輪事業における入札制度改革や経営改革をさらに進め、JKAへの交付金のさらなる減額をありとあらゆる方法、手段で求めていくこと、さらにまた、もし不測の事態として一般財源をつぎ込むような事態も想定外とはせず、従事員や選手会に迷惑をかけずにソフトランディングできるような方策も考慮に入れていくことを求めます。


 また、2012年度から5カ年の競輪場の改修計画が始っていますが、今後も改修の費用が安くなるように最大限の努力をすること、競輪の選手宿舎などの競輪施設の今後の有効活用について真剣に検討し、実施すること、そして何よりも一般会計に一定程度の繰り入れができるように要望いたしまして、2011年度立川市特別会計競輪事業歳入歳出決算の認定への賛成討論とします。



【関連リンク】

2012年3月議会 議案第31号 2011年度立川市特別会計競輪事業補正予算(第4号)についての質疑 (2012年3月22日)


2011年12月議会 ◆議案第117号 2011年度立川市特別会計競輪事業補正予算(第3号)についての質疑 (2011年12月20日 本会議)