6年連続1番の行革は やっぱり “入札改革” (2009年度決算の状況 その1)

 立川市議会は現在、決算特別委員会で2009年度決算の審査の真っ最中。私は特別委員会の委員ではないので、傍聴の日々となっています。

 立川市の水道工事をめぐる談合入札汚職事件(※1)が発覚したのは2003年10月9日ですから、早いもので7年が経とうとしています。この事件の発覚前の1999年ぐらいから市の公共工事に談合の疑いありと入札契約制度の改革を訴えてきましたが、事件以降立川市では、条件付き一般競争入札の原則的な全面導入や委託契約への複数年契約導入などの入札改革が進み、大きな成果が出ています。

◆2009年度落札差金は約17億8660万円

 2009年度決算における公共工事、業務委託、物品購入の平均落札率と落札差金(契約差金)は以下のとおりです。

工事 平均落札率 85.74% 落札差金 6億7451万330円  (←2001年度平均落札率 93.16%)
委託 平均落札率 86.66% 落札差金 8億5016万6623円 (←2001年度平均落札率 97.24%)
物品 平均落札率 70.17% 落札差金 2億6191万7279円 (←2001年度平均落札率 93.37%)

つまり、2009年度は、入札改革によって、競争性が高まり、落札率が低下したことにより、工事、業務委託、物品購入は予定していた価格より、17億8659万4232円も安くなりました(新庁舎建設工事やそれに関連する物品購入などもありましたので例年より多額になっています)。

工事、業務委託、物品購入の落札差金(契約差金)の合計は、
2002年度 約4億6000万円、
2003年度 約5億2800万円(この年に立川市水道工事入札談合汚職事件発覚)、
2004年度 約7億200万円、
2005年度 約11億9000万円、
2006年度 約10億8400万円、
2007年度 約15億2400万円、
2008年度 約11億8800万円でしたので、

2009年度の落札差金(契約差金)を加えると、事件後の6年間では約74億8700万円になり、大きな節約となっています。

◆6年連続1番の行革は やっぱり “入札改革”

また、入札改革の成果(※ 落札率低下による影響額)は、

2004年度 約2億9100万円、
2005年度 約6億2900万円、
2006年度 約6億1600万円、
2007年度 約4億300万円、
2008年度 約6億1300万円、
2009年度 約10億5300万円

と、その成果は約36億500万円。6年連続で一番の行財政改革となっています。

(※ 事件のあった2003年度の落札率を基準として、その03年度の落札率より低下した分の差額金額)


◆終わりのない入札改革 公契約条例の制定も全力で

 しかし、入札改革に終わりはありません。今後も、事件を風化させず、市民の皆さんの税金が談合や不正によってムダに使われないように、入札・契約状況を監視し、更なる入札改革を提案するとともに、職人さんなどの末端労働者や下請け業者にしわ寄せがいかないように、千葉県野田市で全国で初めて制定され、お隣の国分寺市でも制定されようとしている公契約条例を、立川市でも早期に制定させるよう全力で頑張りたいと思います。


※1
2003年10月9日に元契約課長や元職員や水道工事業者(4業者)が逮捕され、水道工事をめぐる談合汚職事件が発覚。翌2004年の1月16日には再び市役所に強制捜索が入り、元総務部長も逮捕され、全国的なニュースになった。逮捕された市職員3名と水道工事業者は執行猶予付きの有罪判決を受け、立川市はじまって以来の不祥事、大事件になった。当時市役所では、組織ぐるみの事件ではないかという疑惑が深まり、青木久・前市長をはじめとした上層部や疑惑市議のさらなる逮捕にもつながるのではないかと騒然としていたが、それ以上の司法による追及はなかった。