2010年度 立川市特別会計国民健康保険事業予算 反対討論 3月議会のあれこれ その8 (予算特別委員会 5日目) 


3月1日から5日までおこなわれた3月議会・予算特別委員会(予特)での私の質疑を報告してきました。今日は立川市特別会計国民健康保険事業予算の反対討論を掲載します。

2008年から景気低迷が続き、雇用情勢が悪化して、立川市民の生活もさらに厳しくなっています。その中で、2008年度の約2億7000万円の値上げに引き続き2010年度も2億円の保険料の値上げです。

読売新聞の調査では、国民所得の平均が全国で7.4%マイナス。立川市国民健康保険加入者の所得は、この全国平均をさらに上回る9.4%のマイナスです(ちなみに立川市民全体の所得は平均で5.5%マイナスの見込みです)。つまり、立川市国保世帯の年間収入は1割弱も減っているのに、それに追い打ちをかけるように値上げ…。市長は苦渋の選択と言いますが、市民にとっては厳しい家計に直撃します。連続した保険料の値上げは滞納額を増加させ、結果的に市税で補てんすることになりかねません。

以下が反対の理由です。


【2010年度 立川市特別会計国民健康保険事業予算 反対討論】

 

○委員(五十嵐けん君) 私は、社会民主党・みどり立川・市民の党を代表いたしまして、議案第3号 2010年度立川市特別会計国民健康保険事業予算に反対の立場で討論をいたします。
 格差社会の拡大、貧困層の増大という全国的な社会情勢の中で、リーマンショックなどの2008年から景気の低迷が続いています。立川市では生活保護率はここ数年東京26市の中一番高く、就学援助や国民健康保険の滞納率も高い水準になっていることから、立川市民の生活もさらに厳しくなっていることがうかがえます。
 このような市民を取り巻く情勢の中で、立川市の任務は拡大する格差を是正し、貧困化に歯止めをかけることです。特に、読売新聞の調査では、国民所得の平均が全国で7.4%マイナスになっているとのことですが、立川市国民健康保険加入者の所得を市が調査したところ、この全国平均を上回る9.4%のマイナスであることが明らかになっています。低所得者層に対して6割、4割と行われていた減免を7割、5割、2割と広げたことには賛同しますが、今回の2億円もの国民健康保険料の値上げは、減免を受けられる低所得層を除き、多くの被保険者に対して保険料の値上げになり、苦しい家計や生活を直撃します。
 特に立川市では、
2000年度に国民健康保険料を2億4,355万6,000円、
2003年度には国民健康保険料を約4億1,119万円、
2004年度には国民健康保険料を約9,770万円、
2005年度には国民健康保険料、介護第2号被保険者分約4,094万円、一般医療保険分約1億4,178万円、退職医療保険分約4,457万円、
2006年度にも国民健康保険料、介護第2号被保険者分約1,011万円、
2008年度にも国民健康保険料を2億6,781万2,000円と
過去10年間で約12億6,000万円もの国民健康保険料の値上げをしてきており、被保険者世帯の家計を直撃しています。
 よって、立川市国民健康保険加入者の所得はこの全国平均を上回る9.4%のマイナスであるという厳しい状況の中で、2億円に上る国民健康保険料の値上げは到底認められるものではなく、反対です。
 そもそも立川市国民健康保険加入世帯の所得階層は、旧ただし書き所得で200万円未満で約77%、300万円未満で約88%と、低所得層に偏っていることがわかります。国民健康保険料の滞納世帯は2004年度が8,354世帯、2005年度が8,553世帯、2006年度が8,657世帯、2007年度が8,691世帯、2008年度が8,852世帯とふえる傾向にあり、今回の改定により減免を受けられない被保険者世帯を一層生活苦に追い込み、保険料の滞納や資格証明書の交付を増加させる可能性も十分にあります。国民健康保険は中小零細事業者や社会保険に加入していない中小零細企業に勤める者や、派遣などの非正規社員やフリーターや失業者や退職者など所得が少ない方々が加入する最後の受け皿的な役割を果たしています。
 もともと保険料で急増する医療給付を賄うのは無理があり、国が国庫負担率を下げたために、構造的に市町村が一般会計から繰り入れをしなければならないようになっています。そのような構造的な欠陥があるとはいえ、被保険者に保険料の値上げを押しつけてはいけません。
 清水市長御自身が、以前、市議会でセーフティーネットについて、
   市民が生涯安心して生活するためのセーフティーネットの構築は国及び地方自治体に負わされた使命と考えております。立川市は福祉施策に限らず、市民生活の面や市民の安全、安心を確保するための施策など、さまざまな分野で施策の充実をしてまいります。
─とお答えになっております。例えば立川市は多摩26市中2008年度の1人当たりの法定外繰入金も20位と、財政状況の割には低くなっており、とりわけ一般会計からの繰り入れが高い市とは言えません。
 市長が、
   市民が生涯安心して生活するためのセーフティーネットの構築は国及び地方自治体に負わされた使命と考えております。
─というように、国民健康保険は市民が生涯安心して生活するためのセーフティーネットにほかなりません。今回の2億円もの値上げはすべきではなく、低所得層への軽減措置だけを認め、保険料は据え置くべきものと考えます。また、値上げをせずに、国や東京都に対して負担率を上げるようにさらに要望していくべきです。

 よって、議案第3号 2010年度立川市特別会計国民健康保険事業予算に反対いたします。<<