景気対策としての暫定税率廃止

さて、ガソリンの値下げが現実味をおびてきていますが、4月29日となっても衆議院の再議決はもちろんすべきではありません。マスコミでは、この間、暫定税率を延長しなければ地方は大混乱するなどの報道に終始し、国民に人気の東国原宮崎県知事が政府与党の「広告塔」のように税率の延長を訴える姿を放送してきましたが、世論調査では3分の2前後の国民が暫定税率の延長に反対、廃止を支持しています。

この世論調査の底流には、昨今の定率減税全廃をはじめとする大衆大増税後期高齢者医療制度などの新たな負担増への不満や、給料が上がらないのに、原油高などによる値上げのラッシュが家計を直撃しているという現実があるということは間違いありません。それなのにデテクル・デテクル道路特定財源の目的外使用とムダ使い。このままでは、さらにムダな道路をつくるための「道路特定財源の権益維持」を図る官僚や族議員や一部土建業界のために使われてしまうと、国民は気づいています。

マスコミが、暫定税率廃止の減税効果をまともにもっと報道すれば、さらに、暫定税率の延長に反対、廃止を支持する世論は大きくなるはずです。

民間のシンクタンク第一生命経済研究所)によると、ガソリン税軽油引取税自動車取得税自動車重量税暫定税率が廃止になると、家計の税負担が総額で1兆6000億円、企業の税負担で1兆1000億円減少し、2008年度は1世帯平均で年間3万2000円の負担減になるとの試算をしています。また、暫定税率の廃止によって実質国内総生産GDP)は、道路関連事業などの公共事業が減るため、2008年度は1兆1000億円(0・2%)減、2009年度も5000億円(0・1%)押し下げるが、2010年度には減税で企業の投資が活発になり、家計の消費も増え、実質GDPをわずかに押し上げるといいます。

また、獨協大学経済学部教授でテレビでもお馴染みの経済アナリストで評論家の森永卓郎さんは暫定税率の廃止は絶好の景気対策として2つのメリットを上げています。長くなりますが引用すると、

《 暫定税率の廃止には、二つのメリットがある。
 一つは、暫定税率廃止をしたときの減税規模である。興味深いことに、2兆7000億円という金額は、既に廃止された定率減税の減税規模2兆6000億円とほぼ等しい。つまり、定率減税復活とほぼ同じインパクトを国民生活に与えることになるわけだ。
 わたしは去年一年間、景気回復のために定率減税復活をずっと唱えてきたのだが、残念ながら誰にも相手にされなかった。ぜひ、その代替手段として暫定税率を廃止してほしいものである。
 さて、もう一つのメリットは、経済が疲弊している地方に大きな効果を与えるという点だ。
 5年に1回行われる「全国消費実態調査」によると、1世帯当たりの月間のガソリン代は、東京都区部が1972円に対して、町村部は9774円と5倍にもなる。病院通いも買い物にも車が不可欠となっている地方では、ガソリン代が家計の大きな負担になっていることが、はっきりとした数字となって表されているわけだ。
 逆にいえば、5倍ガソリン代を使っている地方にとって、暫定税率の廃止は減税効果も5倍となる。そして、これは都市から地方への所得移転にもなる。一番苦しんでいる地方の住民や中小企業にとって、大きな景気対策となると同時に、地域格差縮小にも貢献するのである。 》
森永卓郎コラム構造改革をどう生きるか〜成果主義・拝金主義を疑え』「第117回 絶好の景気対策暫定税率の廃止」より 日経BP社の総合情報サイトnikkei BP net)

つまり、暫定税率廃止は、定率減税並みの規模の減税効果と地域格差縮小という一石二鳥の今とり得る最大で絶好の景気対策であり、国民生活はもとより、物流業界をはじめ産業界に好影響をあたえ、値上げラッシュに歯止めをかけるものとなるのです。

ガソリン暫定税率の廃止を求めましょう!!


要望先
 首相官邸 ご意見募集(各府省への政策に関する意見要望)
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