10月27日に「口利き」ノートとも言われ、元総務部長(競売入札妨害容疑で逮捕、起訴され有罪判決が確定)が市議や市の有力者などから「働きかけ」を受けた内容が書かれているとされる『畠山ノート』の写しを情報公開請求しました。しかし、個人情報保護という理由で、以前に市議会の「入札事件原因究明と再発防止調査特別委員会」示されたのと同様に市議や会社名や有力者(個人名)などの名前と特定できる部分がすべて黒塗りだったので、12月20日に不服申し立てをおこないました。

刑事訴訟法239条2項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」とあり、公務員には個人情報保護とともに告発の義務もあります。2004年6月30日の朝日新聞には(1999年のことですが)、

例えば、 12月13日。水道業界に影響力を持つ有力市議(故人)の親類で元職員の名前と、「配水 本A社 ×B社 C社 D社」という記載がある。前部長(=畠山元総務部長)は「配水管工事でA社を本命にするのでB〜D社を指名から外してほしいという元職員からの依頼だった」と捜査当局に供述している。

とあります。そのようなことが事実であったかどうかは業者名を明らかにして、当時の配水管工事でA社が落札している例の中で、B社やC社やD社が指名から外されているかどうか調べないとわかりません。 もし、一致する例があれば当然「犯罪があると思料」できるのではないでしょうか。

また、市議会議員は公人であり、いわゆる「口利き」をしたと疑われるような事態があれば選挙権を持つ市民に対して「説明責任」が生じると考えられることや、市民の「知る権利」という観点からも当然公開するものであると思います。

ちなみに『畠山ノート』の中の議員にまつわる記述は以下のとおりです。

7 / 15 A 議員  1 社 (あ氏)ビルメンテ

11 、6/ 1   A議員   14 社  管工事  所長  お氏  5××−××××

10 / 13 (水)A議員より 土木参加型で 750 点以上のケースが多い( 23 社)

12 / 22 (水)A議員  ビルメン   94 社(株)

8 / 18    シルバーセンター内 貯水槽建設  今年中に業者を決定する。

担当  工事課 係長職A   100t 1,400 万  工期 1 ヶ月

[大山地域センター内清掃]

   今年度は2〜 3 回分の予算  図書館で予算化

   デイサービス   公設民営→清掃も行う? 6社 特命願

   • 7 社、 8 社、 9 社、 10 社、 11 社 (B議員)

10 / 18 (月)B議員    70 社、 71 社( 12 年登録)

[ 12 月議案]・シルバー人材センター本部建替    181,735 千円

      ・ 富士見町第 三住 宅 建替  第 1 工区   173,230 千円

                   第 2 工区   260,382 千円

・ C議員

[  12 社 ]メンテ、一般廃棄物

10 /6(水) 62 社 す社長 来庁 C議員 同行

         (上野原出身)

         管更正の仕事もぜひお願いしたい

10 / 22 (金)C議員 (株) 72 社をよろしく  

          (ち氏)

・D議員

[  13 社 ] 11 年度登録  交通安全施設

2 月の指名に入れてほしい。  専務  え氏  5××−××××

D議員   20 社、 21 社

      E前議員  [ 保育園  か氏 ]3.2.16号線

        ・ 2 社、 15 社、 16 社、 17 社、 18 社、 19 社

10 /7(木)F議員より (株) 68 社 せ営業部長 防衛庁OB

11 /1(月)F議員  29 社を

10 / 12 (火)G議員より 工事新規登録   解体 69 社

立川市が作成した「ノート抜粋について(資料提供)」という資料より。黒塗りの部分の市議会議員はA議員、B議員、会社名(業者名)は 1 社、 2 社、個人名はあ氏、い氏と表記してある。いずれも 1999 年の記述。

皆さんは、黒塗りの一部公開に納得されますか??? この不服申し立てが不適法であるとされ、却下されないかぎりは、立川市情報公開審査会に諮問され、審査されることになります。

以下は、不服申し立ての理由   不服申し立てに添えた文書です!!

不服申し立ての理由
情報公開請求をした、元総務部長(競売入札妨害容疑で逮捕、起訴され有罪判決が確定)のノートは、「口利き」ノートとも言われ、元総務部長が市議や市の有力者などから「働きかけ」を受けた内容が書かれているとされ、市議や有力者の名前や、水道工事だけでなく、土木工事やビルメンテナンスなどの各事業にわたり業者名が書かれていると報道されています。

2004年6月30日の朝日新聞には「例えば(1999年の)12月13日。水道業界に影響を持つ有力市議(故人)の親類で元職員の名前と、『配水 本A社 ×B社 C社 D社』という記載がある。前部長は『配水管工事でA社を本命にするのでB〜D社を指名から外してほしいという元職員からの依頼だった』と捜査当局に供述している」とありますが、このようなことが事実であるとするならば、当然刑事訴訟法239条2項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」とあるように、公務員には告発の義務が生じるはずです。このノートに書かれていることは犯罪があると思料することができないのかどうかを明らかにしていただきたいと思います。また、思料することができないという場合にはその根拠をお示しいただきたいと思います。

市議会議員と特定できる名前は、市議会議員が公人であり、いわゆる「口利き」をしたと疑われるような事態があれば選挙権を持つ市民に対して「説明責任」が生じると考えられることや、市民の「知る権利」という観点からも当然公開するものと考えます。

特に、事後に施行されたものですが「立川市議会議員政治倫理条例」の第 3条の(3)には「市が行う許可、認可又は請負その他の契約に関して、特定業者を推薦、紹介するなどの有利な取り計らいをしないこと」とあり、第2条の2には、「議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合には、その疑惑を自ら解明し、市民に対し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」とあります。このような観点からも市議会議員の名前及び市議会議員と特定できるような表記は公開すべきと考えます。

また、立川市個人情報保護条例の第 2条の(2)には、個人情報の定義について「ただし、事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く」とありますが、例えば、「口利き」をしたと思われる○○氏と書かれているところに業者名があり、このノートに書かれているとおりの業者指名や落札などが行われていると考えられるとすれば(本とか○がついている業者がその事業を落札している場合など)、まさに事業を営む個人の当該事業に関する情報と言えるのではないでしょうか。少なくとも、そのような例があれば、当該業者名などを公開すべきと考えます。

そもそも、このノートに書かれているとおりの業者指名や入札経過・落札結果などがあったかどうか調べられているのでしょうか。その点についても疑問です。

あくまでも、入札談合汚職事件の全容解明のためにも、事件性があり、犯罪があると思料できるならば、一部公開ではなく、全面公開を望むものです。

12月21日の新聞各紙で報道されました。 以下が 各紙の報道 です。

04 年 12 月 21 日 読売新聞 多摩版
情報公開に不服申し立て 立川市水道汚職で市議

 立川市 発注の水道工事を巡る汚職事件で、捜査当局に押収され、その後、市に返還された元市総務部長(55)(競売入札妨害罪で有罪判決が確定)のノートを市が一部しか公開していない問題で、同市の五十嵐健市議(市民の党)は二十日、市に対し、公開を求める不服申し立てを行った。

 市は十一月、五十嵐市議の情報公開請求に対し、「特定の個人や法人等の識別ができるものがある」として、一部公開としたが、五十嵐市議は申立書の中で、「市議と特定できる名前は、市議が公人であることからも当然公開すべき」と主張している。

 問題のノートには、元総務部長が、市の入札を巡り、口利きを依頼した市議の名前などが記されている。

04 年 12 月 21 日 毎日新聞 多摩版
情報の全面開示求めて不服申し立て 立川・談合汚職で市議

 立川市 の水道工事をめぐる談合汚職事件で、五十嵐健市議(市民の党)は 20 日、自身の情報公開請求に対して同市が元総務部長=競売入札妨害罪で有罪=のノートを市議名などを黒塗りにして一部公開したことについて、全面公開を求めて不服申し立てをした。

 同市は 11 月 8 日付の公文書一部公開決定通知書で、「特定の個人や法人などの識別ができるものがあるため」と一部公開の理由を説明。五十嵐市議は「市議は公人で、『口利き』の疑いがあれば市民に対する説明責任が生じる。全容解明のためにも、市議の政治倫理条例の趣旨からも市議名を含めて全面公開するべきだ」などと話している。【西田進一郎】

04 年 12 月 21 日 東京新聞 多摩版
談合事件のノート 一部公開では不服 立川市議が異議申し立て

 立川市発注の水道工事談合汚職事件で、元市総務部長=競売入札妨害罪で有罪確定=が口利きを依頼した市議名などを記したノートを一部しか公開しないのは不服として、情報公開請求した五十嵐健市議が二十日、市に異議申し立てをした。

 五十嵐市議によると、市は 11 月 16 日、約四十?のノートの写しを公開したが、個人情報の保護を理由に、市議名や業者名とみられる部分は黒塗りされていた。申立書は「市議は公人で、口利きの疑いが持たれた場合は市民への説明責任が生じる上、市民の知る権利のためにも必要」と全面公開を求めている。

 ノートは事件で捜査当局が押収。その後、市に返還された。九月に開かれた市議会の「入札事件原因究明と再発防止調査特別委員会」でも、一部が黒塗りの状態で公開された。

04 年 12 月 21 日 産経新聞 多摩版
全面開示求め不服申し立て 立川水道談合で市議

 立川市 発注の水道工事をめぐる談合事件で、五十嵐健市議(市民の党)は二十日、情報公開請求した元総務部長=競売入札妨害罪で有罪判決が確定=のノートが一部しか公開されなかったことに対し、全面公開すべきとして市に不服申し立てを行った。

 元総務部長のノートには、働きかけをした市議の名前などが書かれていたと指摘されており、五十嵐市議は十月に情報公開請求をしていた。しかし、個人情報保護の観点から、名前などは黒塗りにされ公開された。

 五十嵐市議は「市議は公人であり、口利きをしたと疑われるような事実があれば、選挙権を持つ市民に対して説明責任があり、市民の知る権利の観点からも当然公開すべき」などとして、二十日付で市に対して不服申し立てを行った。 <<