少し前に、国連難民高等弁務官事務所UNHCR)がある国連大学前で、難民認定を求めて座り込みを行っていたトルコ国籍のクルド人家族のことがニュースで報道されていましたが、G7諸国の難民認定数は、アメリカ2万8300人、ドイツ2万2720人、カナダ1万3300人、イギリス1万9100人という一方で、日本はたったの14人。日本の数字の異常なまでの少なさは、難民に対して、きわめて閉鎖的であることを示しています。

クルド人は国を持たない世界最大の民族と言われており、約2500〜3000万人がイラン、イラク、トルコ、シリアなどに在住し、それぞれの国で複雑な国際政治に巻き込まれた歴史を持っています。イラクでの旧フセイン政権での迫害はわたしたちには記憶に新しいところじゃないでしょうか。特にトルコでは公的な場所でのクルド語使用禁止など民族の文化が否定され、1990年代に入ると迫害が激化したため、難民として欧米諸国に移住。トルコからビザなしで入国できる日本に来る人も増え始めているのです。

日本は、「難民の地位に関する条約(難民条約)」を批准しているにもかかわらず、「難民性はある」と国連の機関が認定した人々を、なぜ不当に拒絶し続けるのでしょうか。

よく「不法就労目的の難民申請じゃないか」とか、「難民が押し寄せたらどうなるんだ」とかの議論が心無い人々によってなされます。しかし、外国人労働者問題を考える時に忘れてはならないのは、出稼ぎなどを強いているアジアや中東の諸国の貧困は、日本を含めた先進諸国の工業資本などの「収奪」が強いた結果ともいえるということです。またバブル期を頂点とし、日本では使い捨ての便利な労働力として、アジアや中東の外国人労働者を低賃金と無権利状態で3K労働に使い続けてきたのではないでしょうか。少子高齢化労働人口がどんどん減少している中で、外国人労働者との共生をいかになすべきかを真剣に考えなければいけない時期に来ています。

まず「難民鎖国」という日本のあり方を変えることを端緒として、多民族・多文化共生の社会をつくることが必要と私は考えています。そんな大行動=『1435 虹の架け橋キャンペーン 法務省を囲む人間の輪を!』が明日の午後5〜7時に霞ヶ関法務省前で行われます。法務省を人間の輪で囲むためには600人の人が必要ということだそうですが、2重3重の輪をつくれればと思います。ぜひ参加を!! (詳しくはホームページのフロントページの「ひとこと」の欄を見てください)